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「このままだとお前、邪魔だ」で選手が奮起…青学大「狭間の世代」が成した“駅伝三冠&箱根駅伝3連覇”ウラ話 原晋監督は「やっぱり4年生ですよ」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byNanae Suzuki

posted2025/01/16 11:03

「このままだとお前、邪魔だ」で選手が奮起…青学大「狭間の世代」が成した“駅伝三冠&箱根駅伝3連覇”ウラ話 原晋監督は「やっぱり4年生ですよ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2017年の箱根を制し、学生駅伝三冠&箱根駅伝3連覇を達成した青学大。アンカーを務めた主将・安藤悠哉ら4年生が奮起したワケは…?

 青学大にとっての箱根選考レースである11月の世田谷ハーフの2日前、食堂で原監督に「適当にやってみればいいんじゃないか」と言われた。どんな時も生真面目に愚直に練習に取り組む池田の姿勢を知っているからこその言葉だった。

「疲労も抜けてきていたし、最後の選考は適当にやってみるかと思いました」

 肩の力が抜けた世田谷ハーフは63分53秒で6位、その13日後の1万mでは29分10秒でシーズンベストを出した。

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「ようやくって感じで、ホッとしました」

絶不調に苦しんだ「秋山隊長」

 池田は箱根出走組に復帰し、安藤も安堵した。だが、もうひとり苦しんでいる4年生がいた。

 それが、秋山雄飛だった。

 チーム内では「秋山隊長」と称され、原監督にもその爆発力を高く評価されていた。3年時には箱根の3区を快走。区間賞を獲得し、連覇に貢献した。三冠のためにも秋山の力が必要になるはずだった。

 秋山自身、最上級生となった自覚から、一色のように自らの背中を後輩に見せていこうと思っていた。箱根の走りで自信も掴んでいた。ところが、4月の金栗記念杯で5000mを16分29秒、6月のレースも16分28秒と大ブレーキ。見たことがないようなひどいタイムに自分でも落ち込んだ。

「全然力が出ないんです。4年生はそれぞれが役割を持って頑張っていたのに自分は何をやっているんだと。でも、どうしていいか分からない。腐るというか、途方に暮れてしまいました」

 見兼ねた安藤は、学年ミーティングの中で秋山に厳しい言葉をかけた。

「今のままだと誰もお前についていかんぞ!」

 秋山は悔しかった。だが、おかげで自分が箱根を諦めきれていないことに気づくことができた。そして言葉だけではなく、出雲駅伝での主将の力走にも刺激を受けた。

「安藤はチームをまとめ、競技でも引っ張っていました。出雲駅伝の最後のスパートは、今までこんな意地を見せて走ったことあったっけ? というぐらい凄かったし、感動しました」

 出雲ではさらにチームに一体感を生み出す出来事があった。優勝後のステージで一色が安藤と抱き合い、泣いたのだった。

【次ページ】 青学大初の三冠…原監督は「やっぱり4年生ですよ」

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