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ユニフォーム泥棒、実家にファンが宿泊…“下町のマコちゃん”と愛された益子直美がバレー日本代表で感じた「ぶたれてきた学生時代」とのギャップ
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byL)AFLO、R)Shiro Miyake
posted2025/01/11 11:02
「下町のマコちゃん」と呼ばれファンに愛された益子直美さん
「ぶたれてきた学生時代」から日本代表で感じたギャップ
高校3年生で日本代表に選ばれたあとは、益子さんは対角を組んだ斎藤真由美さんとともに「マッチョ(斎藤)マコ(益子)」と呼ばれ人気を博した。
しかし最も変化があったのは益子さん自身の心境だったとか。
「それまでは、監督にぶたれてきていたので、チームは一丸となっていました。監督が敵みたいな感覚で一致団結しているんです。でも日本代表に入ると、これまでとは違って味方同士もライバルなんですよね。競争だし、その闘いのレベルも高い。だから、早々にくじけてましたね。代表合宿には行きたくないと思っていました」
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通常であれば代表合宿で自分の長所をアピールし、レギュラーを勝ち取っていくものだが、益子さんの思いは「レギュラーなんかなりたくない」。壁があったら逃げたいという、もともとの内気な性格が現れてしまったと振り返る。
「毎日怒られて、21連発、ほっぺをぶたれてきた学生時代とは違って、社会人になったらいきなり怒られなくなった。当然、自分からは何にもできなかったです。怒られたくないからやっていただけで、怒られなくなったらもうラクでしょうがない。イトーヨーカドーに入って1年ぐらいはサボりました」
“最大の武器”ジャンピングサーブを封印した理由
腰を痛めたこともあり、武器としていたジャンピング・ドライブサーブとバックアタックを封印した。
「もう目立ちたくないみたいな気持ちもあって……。自分の武器なのにね。もうやりたくないって思ってしまった。腰も痛いしっていうのも言い訳ですよね。やろうと思えばできたと思うんですけど」
ジャンピングサーブもバックアタックも、もともと無理やり“やらされていたこと”だった。自身で選択したプレースタイルであったなら、また違った結果になったかもしれない。