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「ガリバー」とからかわれた小学生時代、暴力が日常化した部活指導…元バレーボール日本代表・益子直美(58歳)が赤裸々に明かす“しごきの記憶”
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byL)Shiro Miyake、R)AFLO
posted2025/01/11 11:01
共栄学園では春高準優勝、在学中に日本代表にも選出された益子直美さん
「ミスをするには理由が必ずあります。それなのに、そこは掘り下げずに、ただただ気合が足りないと怒られ続けるので、自分でも悪いところがわからず上達できないんですよね。だから、またミスをするし、ミスしたら怒られるという恐怖心でチャレンジもできない。もう、負のスパイラルです。今になって思いますよ。わたしも、もっと練習中にきちんと水分補給をしていたら、クエン酸などの栄養素を摂っていたら、もっと活躍できたかもしれないのにって。積極的に休養を取って、トレーニングを積んでいたら、わたしはもうちょっといい選手だったんだろうなって思うと残念です」
途中でバレー部を退部していった仲間たちへ
子供のときにどんな指導者と出会うか、指導者の影響力の大きさを自身で体感した。
「中学、高校でもバレーボールを辞めていった友人がたくさんいました。当時は辞めていく人を裏切り者みたいに言う人もいて、その圧力に負けてわたしは彼女たちを助けてあげられなかった。そのことが本当に悔しいし後悔しています。本当はその子が悪いんじゃなくて、暴力を振るう指導者たちが、その時代が悪いのに、助けてあげられなかったことがずっと心に残り続けています。
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理不尽な練習を経験してきて、オリンピックでメダルを取っている人もいます。成功している人もいる。わたしのように弱い子もいれば、強い子もいる。いろんなタイプの子がいるからこそ、わたしは弱い子たちをサポートしたいと思う気持ちが強いんだと思います」《インタビュー第3回【衝撃の人気編】に続く》
(撮影=三宅史郎)