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「直球の成分が今永昇太に匹敵。10戦で打率.313」DeNAの2023年ドラ3は二刀流を台湾で磨いていた…“育成落ち”ホークス風間球打のWL成績は? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/12/31 17:04

「直球の成分が今永昇太に匹敵。10戦で打率.313」DeNAの2023年ドラ3は二刀流を台湾で磨いていた…“育成落ち”ホークス風間球打のWL成績は?<Number Web> photograph by Kou Hiroo

DeNAの二刀流候補、武田。台湾で腕を磨いた

 11日のCPBL山組との試合はNPB紅組の最終戦だった。最終回に上がった武田は快速球主体に3人でピシャリと抑えた。打者としては10試合32打数10安打、打率.313、投手としては4試合4回を投げて8奪三振1与四球、自責点0の0.00とほぼ完ぺきな内容だった。

吉田、青柳、佐野、村上…台湾は登竜門に

 DeNAだけではない。AWBは、NPBのプロ野球選手にとって「登竜門」のようになっている。

 2016年は、NPBウエスタン選抜で出場したオリックスの吉田正尚が打率.521、25安打、5本塁打、23打点で最優秀打者、同じく阪神の青柳晃洋が16回、2勝0敗1S、防御率1.69で最優秀投手。2017年はNPBイースタン選抜のDeNA佐野恵太が打率.391、5本塁打、18打点で最優秀打者賞、2018年はNPBイースタン選抜のヤクルト、村上宗隆が4本塁打、15打点で本塁打と打点の二冠王、同じく塩見泰隆が打率.392で首位打者に輝いている。

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 またJABA(日本野球連盟)も選抜チームを派遣。2018年JFE西日本の河野竜生(現日本ハム)、2019年トヨタ自動車の栗林良吏(現広島)、三菱自動車岡崎の中野拓夢(現阪神)など、後年、プロ野球で活躍する選手が多数プレーしている。近い将来NPBで活躍する選手の「先物買い」をする感覚で見ることができる。

 AWBは、開催費用をCPBLが負担している。興行的には赤字だが、台湾やアジアのプロ野球振興のために、ペナントレースと同レベルの球場を使い、審判も4人制を敷くなど、クオリティの高い試合を行っている。また昨年からピッチクロックを導入、ビデオ判定も行うなど、先進のシステムも導入している。

 今季はJABA選抜、NPB紅組(ソフトバンク、中日、阪神、DeNA)、NPB白組(巨人、オリックス、ヤクルト、西武)、CPBL山組、CPBL海組の5チームでリーグ戦が行われた。球場は台中の州際棒球場と、雲林県立斗六野球場。いずれもプレミア12やWBCの舞台となった一級の球場だ。筆者は12月9日~11日まで斗六の球場で観戦した。

NPBの若手、社会人でも目立った選手が

 コロナ禍以降、NPBは即戦力の若手ではなく育成選手を中心とした編成となっているが、そんな中でもこれは――と思う選手、プレーが散見された。

 打者では西武のモンテル。彼が徳島インディゴソックスから育成ドラフトで西武に入団した時の記者会見に立ち会った。彼はうれし涙を流していたが、巨体にもかかわらず抜群の俊足で、リーグ2位の8盗塁を記録した。

 オリックスの内藤鵬は、ルーキーの年の宮崎キャンプの打撃練習で、頓宮や杉本顔負けの大きな当たりを飛ばしていたが、2本塁打はAWL最多タイ。10日の白組との試合ではサヨナラ安打を打って、チームメイトの手荒い祝福を受けていた。

【次ページ】 「ホークスの背番号1」から離れるドラ1風間は…

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