山田　2年前とかですかね。

荒木　そんなに最近？

山田　はい、東京オリンピックが終わって、パリに向けて新チームが発足してまた代表になった時にサーブの打ち方を変えたんです。片手トスから両手トスに変えて。最初は、両手トスの打ち方がわからないところからスタートして、そこから、自分が今までやったことがないサーブの打ち方だったのでひたすら打ち込みました。自分がいいところで打てるポイントも探さないといけないし、それに見合うトスも上げないといけないし、というのをずっと試行錯誤しながら繰り返し、2年前くらいにやっとちょっと安定してきた感じです。今はコンスタントに安定して打てるようになったので、今シーズンは、コントロールして相手のどこに攻めたいのか、意図を持ったサーブを意識しています。そこでのポイントを取るのが今シーズンはできているかと思います。

ADVERTISEMENT

荒木　嫌なところに打つようになったよね。

山田　はい。

荒木　軌道も含めて。

山田　なんとなく嫌そうだな、ということが回数を重ねるごとにわかりますし、対戦相手は毎週毎週変わるのでわからない時もあるのですが、映像を見返して、この人はこういうボールが苦手そうだなあなど思いながら打ちますね。

サーブを変えたきっかけ

荒木　サーブを片手から両手に変えるきっかけは何があったのですか？

山田　眞鍋（政義）さんに変えろと言われました。

荒木　えっ。私も真鍋さんに言われて両手トスで打ってた。

山田　えっ、ほんとですか。それで安定しましたか？

荒木　最初からフローターで打っていたの。それをジャンフロ（ジャンプフローター）に変えてって言われて。こうやって両手で上げろって。

山田　きっかけは一緒ですね。

荒木　眞鍋さんっ！

山田　あはははは。なんでだろう。

荒木　ミドルブロッカーって日本の中では高身長だし、高打点を生かすっていう点かな。

山田　多分そうだと思います。両手で上げた方が私も飛んでいたので、そっちの方がいいって言われて。しっかり上から打てってずっと言われてました。

荒木　すごいね、ありがたいね。

山田　ありがたいです。

荒木　印象としては、私は両手で上げた方がヒットのコントロールもしやすいかなと思うのだけど。

山田　私も最近、それに気がつきました。トスが安定する分しっかり叩けるんで、こっちがいいなってやって気づきました。

荒木　これ、全ミドルブロッカーにお勧めしたいね。

山田　はい、ぜひやってほしいです。

「一番サーブ」と言われた時はびっくりしたけど

荒木　そこからサーブが良くなっていったことで、代表戦でも山田選手のサーブから始めるというケースが増えていったと思うのだけど、そこの心境が……？

【次ページ】　「一番サーブ」と言われた時はびっくりしたけど