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「ケイセイを勉強のために投入するのは…」親友・河村勇輝はNBAデビューも…富永啓生なぜGリーグで苦戦? 出場機会を与えないコーチの真意
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2024/12/26 11:21
Gリーグでは十分な出場機会を与えらていない富永啓生(23歳)。焦る気持ちを抑え、懸命に前を向く姿を追った
メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結んだ河村はすでにNBAデビューを果たし、Gリーグでも先発ポイントガード(PG)として7試合で平均13.7得点、10.7アシストと大活躍。最近では露出が増え、ウィンターショウケース中も頻繁にメディアに取り上げられていた。
一方、インディアナ・ペイサーズ傘下のマッドアンツに所属する富永は平均6.7分をプレーして同0.8得点。まだ存在感を誇示するには至っておらず、ショウケース中も20日のリオグランデバレー・バイパーズ戦ではわずか2分強の出場で無得点に終わった。何よりも目立つのは全16戦中5戦がDNP(コーチ判断での不出場)であることで、チーム内で信頼を得られていないという背景がはっきりと見えてくる。
“今季ここまでを振り返って”と尋ねた際の富永の表情は、河村との友情について話す際のそれとは大きく違った。23歳のシューターは唇を噛み、静かに話し始めた。
発揮しきれない“爆発力”
「なかなかプレーイングタイムがもらえないので、うまく自分の流れに乗れないところがあります。自分にできることをやり続けてやるだけかなって思っているので、頑張っていきたいなと思っています」
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日本のファンならご存知の通り、富永のシュート力がかなりハイレベルのものであることは間違いない。ネブラスカ大時代は群雄割拠のBig10カンファレンスでも最高級のシューターとして活躍。クイックリリースと思い切りの良さ、爆発力は渡邊雄太、河村勇輝といったNBAプレイヤーたちも認めている。富永本人もそういった自身の長所への自信を失ったわけではない。
「練習では全然やれている感覚も自分の中にあります。(もっと長い)時間出られればできるとは思っています。自分のプレースタイル的に長い時間出て、タッチを掴んでくるタイプ。やっぱり1、2分で何をしてこいと言われても難しいところがあるので、そこは我慢のしどころかなと。もっと練習中からアピールして、時間をもらえるようになれば、そこはクリアできるんじゃないかなと思っています」