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山田勝己は「今でも荷重を背負って山道に…」“黒虎のエース”山本良幸(32歳)が語るミスターSASUKEとの出会い 最初の言葉は「強いな!でも…」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTBS
posted2024/12/25 11:03
現在“ミスターSASUKE”こと山田勝己が率いる「黒虎」のエースとなった山本良幸。団長との最初の出会いは意外なものだったという
「山田さん、ファーストステージはもう少しこういうイメトレしといた方がいいですよ」
「おお、わかった!」
そう力強く答えた後、山田は一目散に坂道に向かっていく。
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「すごく頑固というか、これって決めている部分は絶対に譲らない。勢いと熱意。そのスタイルは絶対に崩さない。いまも荷重背負って坂道に行ってますからね。体力はもうあるんで『山田さん、必要なのはそこじゃないです!』と言っても絶対に聞かない(笑)。そこは本当に山田さんですね。山田さんなりのSASUKEへの思い入れがある。すごいSASUKE愛なんですよ」
頑固一徹、猪突猛進。そこはなんとなくイメージ通りだが、一方で周囲が驚くような進歩的な目線も持ち合わせているという。
「サードの新エリアが出た時、バーティカルリミット.BURSTの研究でも、エリアを見ただけで核心をついたことをいろいろ言われてたんです。そのへんの見る目はすごいし、さすがです。ほんまにSASUKE好きなんやなと思いますね」
そんな山田率いる黒虎のエースの座を確たるものにした今、山本は新たな挑戦に踏み出した。近代五種競技でのロサンゼルスオリンピック出場である。パリオリンピックでは自衛隊の佐藤大宗が日本勢初の銀メダルを獲得して注目された競技だ。
SASUKEがオリンピックに…「挑戦しない理由がない」
国際オリンピック委員会は23年10月の総会で、近代五種の馬術に代わってオブスタクルスポーツの採用を決めた。これは平たくいうと障害物競争のことで、SASUKEを起源に始まった新しいスポーツだ。28年のロサンゼルスオリンピックから、近代五種はこの種目を取り入れた新たな形に生まれ変わる。
『SASUKE』そして『オリンピック』と聞けば、SASUKEファイターの血も、アスリートの血も騒ぐというもの。
「SASUKEを起源とした障害物レースがオリンピックになった。これは挑戦しない理由はないかなと。学生時代に自分が叶えられなかった世界でどこまで渡り合えるのか。今からどこまでいけるかは未知数ですし、どこまで上げられるのかワクワクもあります」