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山田勝己は「今でも荷重を背負って山道に…」“黒虎のエース”山本良幸(32歳)が語るミスターSASUKEとの出会い 最初の言葉は「強いな!でも…」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTBS
posted2024/12/25 11:03
現在“ミスターSASUKE”こと山田勝己が率いる「黒虎」のエースとなった山本良幸。団長との最初の出会いは意外なものだったという
10月に行われたオブスタクルスポーツの第1回日本選手権で山本は4位に食い込んだ。SASUKEファイターの中でも均整の取れた肉体とアスリート能力の高さは折り紙つき。オリンピック挑戦へ大きな可能性を感じさせる第一歩となった。
ただし、近代五種は障害物レースだけではない。フェンシング(エペ)、水泳(200m自由形)、レーザーラン(ラン600m×5本の合間に射撃を行う複合種目)も高いレベルでこなさなければならない。
「心肺機能を高めとかないとあかんわと思って、1月に800mとか1000mを短いレスト50秒で4本とか始めたんです。しばらく続けていたら2月に熱が下がらなくなりました(笑)」
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4月のSASUKEワールドカップに向けて小休止し、夏になると今度は水泳の練習も始めた。9月末からはまたSASUKE一本に切り替えて準備を進めた。教員免許を取得した山本は現在、大阪府立堺支援学校に保健体育教諭として勤務している。仕事もある中でのSASUKEと近代五種の両立だ。
「スケジュール的にはかなりえげつないんで、毎日泣きそうですね。これまでの休養日に近代五種の練習が入ってくる。支えてもらっている妻には本当に感謝です。納得してもらうための交渉が大変でしたけどね」
家では午後9時を門限と定め、しっかり分担を決めて家事もこなす。すべてに全力で取り組む日々だ。
「僕もすごく心配だったけど、今はよくできていると思います。妻と過ごす時間が短くなっても、その中でいろんな話を今まで以上に濃くできているかなと」
「どうして頑張れてるんだろう」…その疑問の答えは?
そう語る山本に根性なしだった昔の面影はもうない。
「自分がスポーツを始める前にまずハマってたのがSASUKEなんですよね。あこがれもあって、夢でもあって。そこに実際に出られるとは思ってなかったし、もう出られへんやろと思ったのが、いまこうやって出場できている。練習はしんどいことばかりというか、全部しんどいです。楽しいことなんかほとんどないけど、どうして頑張れてるんだろう。夢だから、ですかね」
スポーツで何度も挫折を味わってきた男は、SASUKEに一途に取り組むことで再び人生にともしびを得ることができた。
「SASUKE2024 第42回大会」
TBS系 12月25日(水)よる6時~放送予定