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野村監督から「なんでライバルとメシなんか行くんや」…大学ジャパン主将が楽天で受けた“プロの洗礼” 20代で2度の戦力外→大学准教授に転身のウラ話
posted2024/12/24 11:03
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
JIJI PRESS
50年ぶりに誕生した新球団。
クリムゾンレッドを基調とした真新しいユニフォームを纏う選手の大半が、プロ野球で揉まれた男たちだった。
2004年を最後に消滅した近鉄からは、選手会長を務めていた礒部公一にエースの岩隈久志と一線級の選手が加入した。それ以外となると、ほとんどがキャリアのピークを越えたベテラン、またはオリックスのプロテクト枠から漏れた中堅、若手選手たちである。
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翌05年のシーズンからパ・リーグで戦うこととなった楽天の顔ぶれを、周りは同情するように「寄せ集め集団」と評した。
そんなチームの状況だけに、前年のドラフトで指名を受けた“楽天1期生”のルーキーたちからすれば大きなチャンスのようにも見えた。
「全く思わなかったですよ」
明治大から4巡目で入団した西谷尚徳は、恬淡と思えるくらいの調子で言った。
西谷が受けたプロの洗礼は、早かった。
当時の楽天は「寄せ集め」と言われていたが…?
ルーキーたちにとって、本格的なキャリアのスタートとなる2月の久米島キャンプ。3度ゴールデングラブ賞を獲得した大島公一をはじめ、酒井忠晴、斉藤秀光……セカンドの西谷には、内野守備のスペシャリストたちの身のこなしが衝撃的に映った。バッティングにしても、中日時代にホームラン王を獲得した山崎武司や近鉄“いてまえ打線”で中軸を担っていた吉岡雄二が、まるでピンポン玉のように軽々と打球をスタンドへ放り込む姿に、啞然とした。
「あの当時の楽天は『寄せ集め』と言われていましたけど、私はそうは思わなかったですね。大島さんや山崎さんとか、確かに大ベテランで体力は衰えていたかもしれませんけど、プロで磨き抜かれた技術というものが本当に洗練されていて。1年目のキャンプの段階で太刀打ちできないと思いましたね。『俺は何をやってきたんだろう』って感じでした」