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「(山本由伸を)気にかけてないですね」大谷翔平はそう言いつつ…番記者が選ぶ“大谷語録2024”デコピン始球式は「打席より緊張しました」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2024/12/29 11:04
打者専念でエポックメーキングな1年を過ごした大谷翔平。番記者の心に残る語録とは
「僕も来た時、ビックリしたので。何か違うイベントがあるのかな? って。家族で一緒に来た時には思っていました」
やはり大谷は自身の人気に無頓着だった。9月3日の古巣エンゼルス戦では公式戦で初めてエンゼルスタジアムに凱旋。
「アナハイムのファンの前でプレーできるのが一番で感謝しかない。ここでプレーできたのが大きなことだったなと思います」
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1年前の9月4日の試合前のフリー打撃で右脇腹を痛め、そのまま残り試合を欠場した。支えてくれたエンゼルスの首脳陣、スタッフ、ナイン、ファンへの感謝はこれからもずっと忘れることはないのだろう。
ドジャース移籍後も試合で活躍したから、勝ったから冗舌になるわけでもなく、負けたから、活躍しなかったから話さないわけでもない。NGワードもないが、確実に盛り上がるというキラー質問もない。大谷が取材でよく口にする言葉は「さっきも言いましたけど」。質問の仕方を変えても、回答が同じ類いのものであれば、大谷はこの言葉を冒頭に使う。大谷の取材対応には法則がないという一貫性がある。だからこそ大谷の取材は面白く、そのミステリアスさもプレー以外で人々の心を惹きつける要因になっている。
番記者の印象に残る「大谷翔平語録2024」30選
☆2回目あいさつ行かないように。(2月9日)チーム関係者との意思疎通について、「自ら(あいさつに)行きます」と積極的。「(2回目に)もし行った時は勘弁してほしい」とも。
☆お互いを知ることからかな。(2月9日)キャンプ初日、コーチとのやり取りについて聞かれて。相互理解という人間関係の構築において最も大事なツボを押さえる。
☆チームメートの一人。(2月9日)山本由伸の存在について聞かれて。“特別ではない”感を出して笑いを誘ったが、実際はロッカーでとなり同士。
☆環境に慣れることが一番。(2月9日)キャンプで何を一番大事にするか? との問いへの答え。「あとは走ること」とも語っている。
☆事前の準備がどういう時も大事。 (2月27日)外野手用のグラブとファーストミットを手配したことについて。「そうなってからでは遅い」と前置きし、“備えあれば憂いなし”を地で行く。
☆ショックという言葉が正しいと思わない。(3月25日)元通訳・水原一平氏の違法賭博問題に関する会見で。その後開幕40打席ノーアーチだったが、のちに「40-40」を達成するとは誰も思わなかった。
☆敵の時は恐いけど、味方の時はとても心強い。(3月28日)ドジャースタジアム開幕戦で、ファンの声援について。5万人超えの観客が総立ちで迎えた第1打席、見事に二塁打。この日3打数2安打だった。
☆気にはかけてないですね。(4月5日)山本について。しかし6月15日に山本が緊急降板した翌日、「全部を全力でやっていたのは見てるので、本人が一番悔しいと思う」と気にかけまくっている。
☆となりに誰かいるかどうかはだいぶ違う。(4月8日)妻・真美子さんと愛犬デコピンとの生活について聞かれ、「ここ数週間いろいろあったので」と前置きして答えた。
☆打球の角度はスイング軌道で決まる。(4月8日)どうすれば納得のいく打球になる? との問いに対して。「構えが決まれば軌道もよくなるし、力の伝わるスイングになる」
☆面で捉えていく。(4月8日)スイング良化についての質問に、打撃面が平たいクリケットのバットの使用を明かした。「握った時に練習の一環としてよさそうだと思った」
☆同じ左打者として憧れの存在。(4月12日)「長距離打者として小さい頃からずっと見ていた」松井秀喜さんの米通算175号に並んだ日のコメント。
☆長打を持ち味にするスタイルはサイズがないと難しい。(4月21日)米通算175号達成時に「日本の野球界にとっても大きいこと」と発言しており、その真意について。松井さんのメジャー時代の身長・体重は188cm・104kg。
☆プレーオフを知らないので。(5月12日)腰の張りでパドレス戦欠場。ロバーツ監督が試合について「プレーオフのような緊張感」と語っていたが、本人が受けた印象は? の問いにド正論。