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[チームメイトの証言]別の惑星から来たナイス・ガイ ベッツ/カーショー/ラックス/ロハス
posted2024/12/29 09:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
ベースボールの常識を覆す異次元の活躍ぶりは無論のこと、仲間たちが称えるのは、その真摯で親しみやすい人間性だ。移籍1年目で彼はどのようにドジャーブルーに溶け込んだのか。
2024年、大谷翔平はナ・リーグMVPに輝いた。'21年から4シーズンで3度の受賞はすべて満票の快挙。この事実は、同期間2度の受賞を果たしたヤンキースのアーロン・ジャッジを上回り、大谷が球界ナンバーワン・プレーヤーであることを意味する。誰もが認めるキング・オブ・キング。同時に、今季ほど彼の人間性が高く評価されたシーズンもなかった。
一般的にプレーヤーの評価とは、実績を重ねて得るものだが、人間性は逆境に立たされた際の立ち振る舞いによく表れる。その点で今季の大谷は実に見事だった。
10月27日。ヤンキースとのワールドシリーズ第3戦先発を翌日に控えたウォーカー・ビューラー(現FA)は、ヤンキースタジアムでの公式練習日に大谷について語った。
「おそらく世界最高のプレーヤーである選手がいれば、助けになるし、他の選手たちのプレッシャーを軽減し、自由を与えてくれる。翔平は素晴らしいよ。以前、(ドジャースの)スタン・カステン球団社長が彼の人間性について話したことがあったが、私たちは彼が入団したときには(大谷の人間性を)知らなかった。だが今は、このクラブハウスとチームにとって最高の存在であることは誰もがわかっている。50-50の達成、彼の日々の生活と振る舞いを目撃できて、本当にクールな年になっている」