ボクシングPRESSBACK NUMBER
「井上尚弥から逃げた…に反論は?」26歳サム・グッドマンが激白、東京ドームの真相と“井上陣営”への本音「正直、無礼だなとも思うが」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2024/12/10 11:01
東京ドームのリングに上がり、井上尚弥との対戦に意欲を示したサム・グッドマン(今年5月)。しかし、その後、すでに別の試合が決まっていたことが発覚した
――個人的には以前からあなたは井上戦を熱望していると感じてきました。井上がタイトル返上するか、指名戦をこなしきれずに剥奪されるのを待ち、タイトルを取りにいくべきと考えた人もいるかもしれませんが、最強王者との対戦を望んだ理由は?
グッドマン 私も最強王者になりたいからだ。井上がすべてのベルトを持っているわけだから、彼に勝ちたいと思うのは当然のこと。最強のボクサーになりたければ、最強を倒さなければいけない。そのチャレンジこそが魅力的に感じられる。彼がこの階級からいなくなるのを待つなんてやり方に興味はない。
――近未来の井上挑戦を睨み、5月は陣営とともに来日し、東京ドームでネリ戦を観戦しました。改めて、日本の試合会場の雰囲気はどうでしたか?
グッドマン 日本ボクシングの盛り上がりにはほとんどショックを受けた。日本のファンがボクサーに向ける敬意に驚き、同時に私自身もリスペクトを持って受け入れられていることが感じられた。多くのファンが私のことを知っていて、滞在していたホテルで盛んにサインや写真撮影を求められた。その熱気は私の母国よりも上だと思うし、日本のカルチャーを感じられたことは何よりも素晴らしい経験になった。
なぜリングに上がったのか?
――あなたは井上対ネリ戦後のリングに上がり、9月の対戦相手として井上から名指しされました。今、あの件をどう振り返りますか?
グッドマン 多くの人があれはシナリオ通りであり、そのために私は会場にいたと感じたようだった。実際にはそうではなく、すべて試合後に自然発生したことだった。実はもう少し後ろのセクションのチケットを渡され、そこに座っていたのだけれど、メインの前にリングサイドの空いている席に潜り込んだ(笑)。井上の戦いをなるべく近くで見ておきたかったからだ。ところが試合後、リングに上がれと井上から手招きされ、ああなった。
ただ、あの時点での私はもう7月にホームタウンで試合を行うことが決まっていた。世界戦前に地元で1戦をこなし(注・7月10日、チャイノイ・ウォラウトに判定勝ち)、こうして大一番への準備を整えたというわけだ。
――実際にあなたと陣営はメインの前まで、リングから少し離れた私と同じセクションに座っていました。リングに上がったことだけでなく、リングサイドに座ったことすらも予定外だったということですね(笑)。
グッドマン その通りだ。それが試合後、リング上の井上から呼ばれ、リングに上がる流れになった。その日、実は陣営の人間たちと「私たちがリングに上がることになったら面白いな」とジョークを飛ばしていた。実際にそうなったわけだから、あれはあれでクールなことだと思った(笑)。