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「子供たちに、たくさんの愛を届けたい」浅田真央が『MAO RINK』に込めた本当の思い「青春はすべてスケートリンク…第3章は指導者として」 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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posted2024/11/30 17:00

「子供たちに、たくさんの愛を届けたい」浅田真央が『MAO RINK』に込めた本当の思い「青春はすべてスケートリンク…第3章は指導者として」<Number Web> photograph by AFLO

11月にオープンした『MAO RINK』のリンクで演技を披露した浅田真央

「将来は私自身も指導者として、子どもたちを教えていきたいと思います」とほほえんだ。

 かねてから真央さんは、自分のスケート人生での夢を、こう語ってきた。

「私が習ってきた先生方は、スケーターのためにすべてを捧げてくださる方でした。(山田)満知子先生、タチアナ(タラソワ)先生、ローリー(ニコル)さん、門奈(裕子)先生たちにたくさんかわいがってもらって愛をいただきました。そして(佐藤)信夫先生、ラファエル(アルテゥニアン)先生など男性の先生も、わがままな私を陰で見守ってくれる愛がありました。だから私も、これまで指導してくださった先生方のことを忘れずに、次の世代の子どもたちに、技術だけでなく、たくさんの愛を届けたいという思いがあります」

『MAO RINK』に施された工夫

 その夢を実現できる場所として、真央さんは自身のリンクを考案してきた。この『MAO RINK』には、子どもたちのための思いが形になった工夫が、いくつもある。

「まず一番は、サブリンクの窓です。私自身は選手のとき、朝から夜までずっと室内で練習していて、暗くなるまで外の景色を見ない生活でした。ここには壁半分くらいの大きな窓があり、春は桜も見られて、四季を感じながら練習ができます。練習が辛いなと思うときも、お花や緑をみて、少しでも気持ちが明るくなって欲しいと思います」

 そして、もう一つが食事面だ。

「食ってすごく大切なこと。私たちの時代は3食とも自宅で食べることがなく、買ってきたものを食べていました。子どもたちが安心して、おいしいく栄養のあるお食事を食べられる場所を提供したいと思い、レストランを併設することにしました」

 現在開業準備中のレストランは、ガラス張りで桜が見え、サブリンクを見守るラウンジにもなっている。

 もちろん練習施設も充実させた。

「私自身が選手のときに『こういうリンクがあったらいいな』と思う整った練習環境を揃えました。トレーニング室、鏡のあるバレエ室もあります」

現役の選手の気持ちがわかるからこそ…

 真央さんが子どもたちへの思いを強めたのは、引退後のアイスショーの頃だという。

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