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「ぱ、パンダロール…」藤井聡太竜王“カワイイおやつ”と王者の風格…観る将マンガ家が興奮「渡辺明九段は紫綬褒章、ひふみんはギネス認定!」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by日本将棋連盟/Junsei Chida
posted2024/12/01 06:00
11月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!
なお盤上を離れたところでは藤井竜王と勇気八段が「おにクル」で“鬼ポーズ”をサービスしたり、和歌山対局では両対局者が注文した「パンダロール」があまりにも可愛すぎたり、第4局では22度という冷房設定に、記録係の清水航三段が毛布にくるまっていたり……(笑)。
画面から目が離せない対局が12月も続くことに感謝するばかりです。
2)渡辺明九段が紫綬褒章…永瀬九段は王将戦へ
12月に竜王戦が決着しても、年が明けるとすぐ八大タイトル戦の楽しみは巡ってきます。そう、2025年1月12日に開幕する王将戦です。その挑戦者決定戦で永瀬拓矢九段が西田拓也五段を下し、挑戦権を獲得。今年の王座戦に続く「vs藤井」の構図となります。永瀬九段が挑戦者決定後の会見で「少し前に藤井さんと2日制で指したことがないと気づきましたし、指したいと思いました」と語る通り、2日間にわたって盤を挟むことで、2人の対局にどんなドラマが生まれるのか、注目したいと思います。
なお王将戦名物の「勝者の記念撮影(※コスプレ)」は将棋ファンのみならず知られるところとなりましたが——はたして軍曹こと永瀬九段が勝利した際には、どんなポーズをとるのか。推し棋士の1人が永瀬九段である我が妻氏が「な、ながせ先生!?!?」と大声を上げて対局翌日のスポーツ紙を買いに行く姿を見てみたいような(笑)。
西山朋佳女流三冠が挑んでいる棋士編入試験は、第3局まで進みました。第3局の対局相手の上野裕寿四段が強さを見せ、ここまで1勝2敗と棋士編入には残り2対局で連勝のみが達成条件となります。宮嶋健太四段と対局する第4局以降も激しい戦いが想定されますが、ぜひ納得のいく将棋を指されてほしいところです。
そして将棋界にとってうれしい快挙が、渡辺明九段の「紫綬褒章」受章、そして5年ぶりとなるJT杯日本シリーズ優勝です!
長年にわたる学術・芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい者に授与される紫綬褒章ですが、将棋界は渡辺九段で通算16人目とのこと(そもそもその人数の多さもスゴイ)。それを将棋界最年少の40歳で受章した渡辺九段は、通算4位のタイトル31期に竜王・棋王の永世資格を持つなど、言わずと知れた大棋士。さらには将棋普及に人一倍熱心かつ、SNSでの等身大の発信など、知れば知るほど魅力的な大棋士の1人です。
〈自分というよりは将棋界を高く評価していただいた結果だと思っています〉
〈40代になってみて若い時ほど万全のコンディションではいかなくなってきていますが、それでも先輩が活躍されているのを見て自分も同じように活躍したり、結果を出していきたいと思っています〉
将棋連盟のHPにも掲載されているコメントの一部抜粋ですが——それを証明するかのように、JT杯では豊島将之九段、稲葉陽八段、広瀬章人九段に勝利して優勝を果たしました。40代以降もトップ棋士として君臨する姿、期待せずにはいられません。
3)ひふみんギネス世界記録…って何?
将棋界の快挙と言えば、もう1つ。「ひふみん」こと加藤一二三九段が、84歳にしてギネス世界記録として認定されたことです!