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大谷翔平が発言「世界一をあと9回」その“本当の意味”…じつはドジャース編成が見抜いていた「ヤンキースは守備崩壊する」チームメイトが酷評のウラ側
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2024/11/09 06:00
世界一後、ドジャース編成本部長に対して「あと9回やろう」と言った大谷翔平
フリードマンが明かした「世界一の裏側」
ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長はメッツとのリーグ優勝決定シリーズに入る前、球団のスカウト部門を総動員した徹底したスカウティングについて語っていた。
「ポストシーズンまでの1カ月間、スカウト部門は複数人のグループを編成して対戦する可能性のあるチームにベタ付きし、事細かに調査した。どこと対戦するかはまだわからない段階だったから、多くのスカウトグループは無駄骨になり、膨大なスカウティングレポートもお蔵入りとなった」
だが、そうした一見無駄に終わった労力の積み重ねが大きな結果につながり、ワールドシリーズ制覇達成。
「早くから大変な労力を使い努力を惜しまなかったスカウトたちには、本当に頭が下がる。パドレスを担当してくれたスカウトグループは完璧に行き届いたレポートを用意してくれていて、最初は1勝2敗と追い込まれたが、シリーズ後半で効果的に活用して連勝できた。スカウティングレポートの中に些細なことだが貴重な情報があり、それが役に立った。メッツ担当グループは、リーグ優勝決定シリーズの相手がメッツに決まったとき、仕事が報われたと飛び上がって喜んでいた。そのレポートは、非常に詳細なものだった。もちろんそれらのレポートを実際に役立てるコーチ陣の素晴らしい仕事ぶりも忘れてはならない」
フリードマン氏はそう振り返っている。
ワールドシリーズ制覇を果たしたとき、移籍1年目で悲願を達成した大谷がシャンパンファイトの最中に「これをあと9回やろう」とフリードマン氏に軽口をたたいたことが話題になったが、選手がフロント幹部にそんな言葉をかけるというのはなかなか見ない光景だ。選手や監督、コーチだけでなくスカウトやフロントスタッフも含めて全員で勝ち取った頂点というのが、その言葉からにじみ出ていた。