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「負けて悔しくないんか」は本当に言ってない? 日本シリーズMVP・DeNA桑原将志が明かす選手会議の真相「ぶっちゃけ、エネルギー感じなかった」
posted2024/11/11 17:16
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Naoya Sanuki
発売中のNumber1108号に掲載の[MVPインタビュー]桑原将志「死に物狂いで戦ってきた」より内容を一部抜粋してお届けします。
シリーズ中は“ゾーン”に入っていた
──日本シリーズMVP、おめでとうございます。攻守に大活躍でした。
「運がよかっただけですよ。ただ1試合1試合、集中した結果だと思うし、シリーズ中は“ゾーン”に入っていたような気がします。いずれにせよ、チーム皆のおかげで頂けたと思うので感謝しています」
――7年ぶりの日本シリーズ。7年前は思うようにプレーできず、ソフトバンクに敗れた時は号泣していましたね。
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「あの時の悔しい思いやチームに貢献できなかったもどかしさは忘れもしないし、あれがあったからしんどい時でも頑張ろうって原動力になってましたね」
――クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの最終戦で、打順が6番から1番に変更。改めて“定位置”であるリードオフマンを任された時の心境は。
「正直、僕の中では1番も6番も似たようなところがあって、すんなり入れたところがあったんです。6番って大事な打順なんですけど、端的に言うと規制が少ないというか、フリーに打てる打順なので、そういう意味では1番と似ているのかなって」
――今季はそのリードオフマンに成長株の梶原昂希選手や開幕当初はルーキーの度会隆輝選手が入るなど、競争は厳しかった。若い時の桑原選手ならば悔しさを露わにしていたかもしれません。30歳も越え、そこに心境の変化はありますか。
「いや、今でも試合に出られなかったら『なにくそ!』って思いますよ。けど“チームの勝利”にフォーカスすることで、自分のその感情はなしにしようって思ったんです。自分が試合に出ている時も、出ていない時も、今日チームのためになにができるのかを毎日考えながら過ごしてきました。だから腐ることはないですよ。昔はわかりませんでしたけど、そういう時間って本当に無駄だと思うんです。まあ、これでも少しは大人になりましたよ(笑)」
選手ミーティングでの鼓舞の言葉
――なるほど。日本シリーズは連敗スタートでしたが、やはり入りの難しさを感じましたか。
「あの時はぶっちゃけ、ベンチからエネルギーを感じなかったんですよ。トバさん(戸柱恭孝)とも話して、巨人とのCSファイナル最終戦と全然違うよねって。4勝した方が日本一で、逆に言えば3敗できる。何かそんな余裕を感じたんです。いや、うちらは下から勝ち上がってきた立場だから、そんな余裕はないだろうって。ここまで死に物狂いで戦ってきたんで、その気持ちを忘れちゃいけない。そんな話を第3戦前の選手ミーティングで言わせてもらいました」
――けれども報じられたように「負けて悔しくないんか?」とは言っていない。
「本当に言っていないんですよ」
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