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「イキがってんじゃねえぞ!」オーカーンがキレた…新日本プロレスでまさかの“男女タイトルマッチ”「おもしれー女」鈴季すずに勝算はあるのか?
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/11/07 17:01
11月17日、大阪で「男対女」のシングルでのタイトル戦に挑む鈴季すず。自らを「変な奴に立ち向かうおもしれー女」と定義した
鈴季すずが語る勝算「世の中の常識をぶち壊したい」
公表されている数字だと、鈴季は57キロで、オーカーンは120キロだ。この約60キロの体重差は鈴季にあきらかに不利だ。
「体格差はデカい。ポンポン投げられるだろうし、こっちが攻めようとしてもうまいこといかない。体格差って難しい壁なんですよ。その壁を崩せるのがハードコアだと思っている(※試合はハードコアマッチルールに決定)。今まで大男たちと試合をしてきて、ジャーマンでぶん投げてきた。オーカーンだってジャーマンで投げられますよ。投げます」
オーカーンはたしかにレスリングの強者だ。つぶれたカリフラワーの耳がそれを象徴している。9月末には神戸で内藤哲也のIWGP世界王座に挑戦して、戴冠はならなかったが、内藤を苦しめた。でも、鈴季には大男をジャーマンスープレックスでぶん投げてきた事実がある。そして「策があるんで」とほくそ笑む。
鈴季が得意とするハードコアマッチなら勝機があるのではないか。どんな勝ち方でも、勝ちは勝ちだ。
「楽しみですよ。怖さなんかない。自分には経験と自信があるから、男子と戦うという恐怖心は一切ない。オーカーンは『女が男に勝てると思うなよ』って言っていたけれど、男であることに胡坐をかいているじゃないですか。試合当日も鈴季すずのことをナメてかかってくると思うんですよ。逆にボコボコにしてやろう。足をすくってやる」
鈴季はニヤリと笑った。
「大きい会場はテンション上がりますよね。新日本プロレスのリングで男女初のシングルのタイトルマッチとなったんだから、いろんな人に見てもらわないと意味がない。いろいろな人に届けたいと思う。女は男には勝てないと思っている世の中の常識をぶち壊したい。それを世界に見せたい」
ハードコアマッチでは当然ながら凶器の持ち込みが許されている。反則負けもない。