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「イキがってんじゃねえぞ!」オーカーンがキレた…新日本プロレスでまさかの“男女タイトルマッチ”「おもしれー女」鈴季すずに勝算はあるのか?
posted2024/11/07 17:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
男と女がシングルマッチでベルトをかけて戦う。これはちょっとセンセーショナルな出来事だ。新日本プロレスとスターダムは11月17日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)での合同興行『Historic X-over II』でグレート-O-カーン(以下、オーカーン)vs.鈴季すずのシングルマッチを行う。しかもKOPWというトリッキーな試合形式のタイトルがかけられている。
「この余が女ごときに負けるわけがねえ」
「52年ある新日本プロレスの歴史の中でも、史上初の男女のタイトルマッチ」とオーカーンは自慢気に話す。対する鈴季は、嫌悪感たっぷりにこう言った。
「なんか変な奴だと思っている。Twitter(現X)とかでいつも女とイチャイチャして。コンプライアンス、ギリギリの所を攻めてくる気持ち悪い男だなと、そういう目で見ていた。今もそう思っている。スターダムに乗り込んできて、誰でも挑戦してこい、とか言って。でも、私だったら倒せる。オーカーンがどんな試合をしているか、プロレスにどのくらいの熱量があるかわからない。女と遊んでいるばかりのナメた男は私が退治してやる」
ことの始まりは10月5日の愛知県体育館だった。突然、オーカーンが花道を歩いてスターダムのリングに入場してきた。KOPWのベルトを手にしていた。
「ひれ伏せ、スターダムの愚民ども」から始まったオーカーンの演説は以下のようなものだった。
「スターダムの女と戦ってやるよ。このKOPWは世界で一番自由なベルトだ。男と女がベルトをかけて戦うことができる。ルールも自由だ。例えば女だけ武器を持ってもいいぞ。女だけ多人数タッグを組んでもいいぞ。どんなルールで来ようが、この余が女ごときに負けるわけがねえ」
鈴季はその日、メインイベントで中野たむとの赤いベルト戦(ワールド・オブ・スターダム王座戦)があったので、すぐに名乗りを上げることはなかったが、「私が退治しなきゃ」という気持ちになったという。そしてついに挑戦の名乗りを上げた。