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「ジュリアの代わりになりたいわけじゃない」林下詩美26歳にエースの自覚…いま明かす“マリーゴールドへの本音”「旗揚げ前は不安に駆られましたよ」
posted2024/11/03 17:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「ファンの人からジュリアの代わりを、と望まれるんです。SNSでも『ジュリアみたいにこうしてほしい』とか言われるんですが、私はジュリアになりたいわけじゃない。私は私。林下詩美は林下詩美です」
マリーゴールドの林下詩美は静かなトーンで話し始めた。
「(旗揚げ前から)ジュリアに日本での残りの時間がどのくらいあるかわからなかったけれど、一緒にマリーゴールドを盛り上げてきた。たしかにジュリアはデカい存在だった。私にとってもそうだし、他のメンバーにとっても。誰がこれからそんな大きな存在になるのか。私がならなきゃいけないと思っています。私はジュリアと大差はないと思っている。ただ、発言のインパクトはジュリアの方が上ですけど」
マリーゴールドを離れて9月にWWEのブランドNXTに移っていったジュリアは今、現地でトップの扱いを受けている。
「当たり前の待遇でしょうね。ジュリアならそうだろうな、と思います。カリスマ性もあるし、派手ですから」
林下はさらっと言った。
「マリーゴールドで何も結果を残せていなかった」
マリーゴールドの旗揚げ戦から、林下は舌にピアスを入れている。
「昔から開けたいと思っていました。耳にもありますが、ピアスのタイミングってあるんですよ。最初は就職する時、次はプロレスを始めた時、そして今回は前の団体を辞めて、新しい団体に移るタイミング。少し怖かったですけど、まったく痛くなかった。すごく腫れたりする人もいるらしいですが、私は腫れなかった。食べ物の味も今まで通り、このままで試合にも何の支障もない。最初に、妹とお姉ちゃんに『入れたよ』って報告しました」
林下は9月28日、名古屋国際会議場のリングで『DREAM STAR GP』シングルリーグ戦に優勝した。しばらく眠っていた女王がやっと目を覚ました印象だ。
「ベルトもそうだし、マリーゴールドで何も結果を残せていないから、『DREAM STAR GP』はどうしても勝ちたかった。それなのに1試合目から負けてしまって、結果的に2敗している。野崎渚とMIRAIに負けた。MIRAIは一番負けたくない相手だったのに。それで精神的にかなりダメージがありました。でも、どうにか勝ち上がって、決勝で桜井麻衣に勝って、優勝することはできた。桜井は見るたびに成長しているので、今後のマリーゴールドに欠かせない存在になるでしょうね」