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「完敗じゃないですよ」DeNA三浦大輔監督は記者の質問を遮り…日本シリーズ初戦“完敗ムード”の中で「ベンチに諦めムードがあったのでは…」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/10/27 12:50
日本シリーズ初戦を3-5で落としたDeNA三浦大輔監督。「完敗じゃない」というが、2戦目以降の戦い方は…
しかしシリーズの初戦である。
今年はあと最大で7試合。しかも2試合戦えば、1日の移動日があって敵地で3試合。そしてまた移動日の休みがあって2試合とリリーフ陣はリセットできる余裕のある日程だ。大原コーチも「中継ぎは使いやすいと思います」と語っている。そして何より日本シリーズなのである。あれだけ過酷なメジャーのポストシーズンでもリリーフ投手たちは連投、回またぎは平気でこなして世界一を目指すシチュエーションだ。
堀岡が2点を奪われた時点で点差は4点。残りは裏の攻撃だけだ。「ゲームセットまでは何が起こるかわからない。ゲームセットで勝ったか、負けたかが決まる」と指揮官が語っても、どこかベンチに諦めムードがあったのではないか。しかし2点奪われても次の1点を必死で防ぐ。4点差とされても、どう5点差にされるのを防いでいくか。何が起こるかわからないシリーズでは、そういう野球が求められるのではないだろうか。
「あそこは堀岡に託した時点である程度、割り切って使っている。ピッチャー代えたから、抑えられるというわけではないので、そこはあまり気にしてはいないです」
大原コーチが語るように、もちろん堀岡をスイッチすれば5点目が防げたかどうかも分からない。そもそも5点目を防いだとしても、結果的には同点に追いつくには1点足りなかった訳である。
大下克上を目指すDeNAの戦い方
ただ三浦監督が語るように、本当にゲームセットの瞬間まで、そして4試合を勝ち切るまで、何が起こるか分からないのが日本シリーズなのである。そういう最善を尽くすことでしか、日本シリーズを勝ち抜く戦いはないはずなのである。
どんどんと投手を注ぎ込み、継投勝負に持ち込むのはDeNAの最初からのこのシリーズの基本戦略である。ならば例えば捕手を3人、ベンチに入れる必要があるかどうか。捕手を2人にしてその分、もう1人、投手を入れておけば、リリーフ陣の起用にもまた余裕ができるはずである。
残り6試合、次の1点をどう防ぎ、次の1点をどうもぎ取るか。シーズン3位から大下克上を目指すDeNAには、そんな戦い方しかないはずである。