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日本代表FW上田綺世は「勝っても無念そうだった」CL初ゴールを逃す“PK失敗”だけでなく…点取り屋のプライドを現地撮影カメラマンは見た
posted2024/10/08 17:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
フェイエノールト所属の日本代表CF上田綺世は、チャンピオンズリーグのリーグフェーズ2節、敵地でのジローナ戦で先発出場を果たした。3-2の接戦で勝利を収めた試合の中で、上田は攻守に奮闘、PKのキッカーを務めるなど決定機も迎えたがゴールを奪うことはできなかった。
バルセロナ近郊の町ジローナに鳴り響いたCLアンセム
現地10月2日、ジローナFC対フェイエノールト戦を撮影するためジローナへ向かった。ジローナは、スペイン北東部カタルーニャ州の都市で、バルセロナからは電車で40分ほどで辿り着く。街を流れるオニャル川には、中世の建築や城壁も残る街並みが鮮やかに映り込む。
そんな街のクラブは、100年近いチーム史の中で、1部在籍は今シーズンがわずかの5シーズン目となる。昨季ラ・リーガで台風の目として躍進、3位でクラブ史上初のCL出場を勝ち取っている。欧州カップ戦自体が初参戦で、キャパ1万4000人ほどの小さなホームスタジアムに初のUEFAアンセムが鳴り響いた。
18時45分、平日のキックオフとしては早すぎる時間帯、またそれに合わせるような雨予報に空席も目立つ状況ではあったが、やはり長年のファンにとって、感情の湧き上がりを感じる特別な瞬間だったことは間違いない。CL初戦をPSGのホームで敗戦したジローナは、CL初勝利をホームのモンティリビで掴み取ろうとこの試合に臨んだ。
対するフェイエノールトも、初戦レバークーゼン戦をホームで敗戦している。今季からレギュレーションが変更されたCL、4チーム増えた36チームが同一のリーグフェーズを戦う。
ただ全チームと対戦するわけではなく、各チームがそれぞれホームとアウェイで4試合ずつ別のチームと対戦し、上位8チームが勝ち上がり決定、9~24位が残り8枠をかけてプレイオフを戦わなければならない。
現実的には“なんとかプレイオフ枠に滑り込みたい”。そんな両チームにとって、開幕2連敗はなんとしても避けたい、そんな意地と意地がぶつかる一戦だった。
絶対的エースが負傷の中で上田が得たチャンス
そして上田個人にとっても、強い気持ちで臨んだ戦いだった。
フェイエノールトでは、サンティアゴ・ヒメネスが絶対的エースとして君臨する。
2シーズン目を戦う上田にとってメキシコ代表FWの存在は大きく、なかなか先発の機会を勝ち取ることができていない。
ただそのヒメネスがケガを負った今、チーム内での上田への期待は高まっている。ライバルの負傷に、「こういう形ではなく、自分でポジションを勝ち取りたかった」と上田はコメントを残しているが――今季2試合目の先発出場となったここで結果を残すことの大切さは、自身が一番感じ取っていただろう。