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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「今夜、ユーキは大事な場面で決めてくれた」石川祐希“スター軍団”ペルージャでのリアルな序列は? 現地記者が見た“濃密な1カ月”の成果
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byPA Images/AFLO
posted2024/09/28 11:06
いよいよリーグ開幕を迎えるセリエA。王者ペルージャの一員として、石川祐希はどんなプレーを見せてくれるだろうか
今シーズンの抱負を石川に尋ねると、チームとしてはセリエA連覇やCEVチャンピオンズリーグを始めとするあらゆるコンペティションで優勝を狙いたい、個人としては“バレーボール選手としてもっと上手くなる、強くなる、成長する”といった目標を掲げたいという答えが返ってきた。
オーガナイズされたクラブ組織と個性的な熱血キャラで知られる名物会長、優勝請負人の指揮官と世界トップクラスのチームメイトたち。石川は9年かけて、世界最高レベルといえるプレー環境を手に入れた。今季はキャリアのターニングポイントになるのではないか。
「五輪も終わったのでここは一つ目標を変えて、自分のことにフォーカスするシーズンにできると思います。優勝クラブでメンバーはほぼそのまま、(自分のチーム内の立ち位置は)非常に難しいというか、スタメン争いからとても厳しい。それでも、イタリアに初めて来たときは控えからスタートでしたし、もう一度初心に返って、そんな中で成長して楽しい、楽しかったと言えるシーズンにしたいと思っています」
コンビネーションを深めたプレシーズン
9月14・15日に行われたイエージ杯で、石川は初日のトゥール(フランス)戦に先発フル出場した。レベルが落ちる相手に3-1の勝利も、この時点では司令塔ジャンネッリは勝負どころで背番号14にセットするのを自重していた節がある。
果たして翌日、強豪ルーベとの決勝カードでスターティング6に起用されたOHは、前日に引き続いてプロトニツキと温存されていたOHセメニウクだった。
ただし、石川は劣勢だった第2セットのサービス起用にエースで流れを変え、最終セットのマッチポイントに投入されると勝負を決める一打で逆転勝ちをもたらし、指揮官の期待に応えた。