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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
天咲光由「今は“素の自分”に近い」“スターダムの超新星”にキャリア3年目の転機…同世代の新ユニットは「クラスメイトみたい」《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTadashi Hosoda
posted2024/09/28 11:03
新ユニット『NEO GENESIS』で自分らしさを見せている天咲光由
「同世代だからなのか、遠慮もしてないです」
しかし否応なしに時間は進んでいく。まして新しい仲間たちに抵抗があったわけではなかった。
「キッドさんは大江戸隊だったので、最初は憎らしい相手でしたけど(笑)。デビュー戦の翌日、2戦目にシングルマッチをやってるんですよ。でも組む時に抵抗はなかった。それはQQでも一緒だったAZMさんだけじゃなく、みんな同じです。
チームとして試合をしてみて思ったのは、連係(攻撃)とか慣れてない部分はあっても、考え方は合ってるのかなって。同世代だからなのか、遠慮もしてないです。自分の意見が言いやすい。QQでは自分の意見が言えなかったわけではないんですけど、感覚は違いますね」
QQでも、思ったことは口に出していた。メンバーの中で最もキャリアの浅い“末っ子”として可愛がられていたし、本人もその実感があった。
「QQのメンバーはみんなお姉ちゃんみたいだったので。家族みたいな感じでしたね。なんでも話せるし、お姉ちゃんたちはなんでも聞いてくれるし。真剣な話もしょうもない話もたくさんしました」
「一番下の若手」だった天咲に訪れた転機
デビューから1年ほど、天咲はスターダム全体でも「一番下の若手」だった。同時に将来を嘱望され、デビュー戦からメインイベント。結果を出す前から写真集発売など目立つ場面が多く、本人にとっては重圧だったはずだ。シングル5番勝負ではトップどころとの力の差も感じた。
「でも今は後輩もたくさんデビューしているので。先輩たちはずっと気にかけてくれてましたけど、今は“光由は大丈夫”と思ってもらえてるんじゃないかな」
おそらく天咲のキャリア自体が新しいステップを求めていて、そこに新ユニット結成が重なったのだろう。「NEO GENESIS」というユニット名が決まっての正式スタートは7月28日の札幌大会。QQ追放から丸1カ月以上が経っていた。
誘った側のキッドも、天咲に加入を急かすようなことはなかった。あらためてシングルマッチを行い、闘うことで気持ちを確かめてもいる。スターダムの選手にとって、ユニット選びがどれだけ大事なのかをキッドは理解しているのだ。
かつて大江戸隊に強制加入させられ、ヒールとして“闇堕ち”したことで大きな話題を呼んだ。コスチュームを変え、イメージも変わり、反則も辞さないファイトで存在感が劇的に上がった。そんな経験があるから、大江戸隊の次に所属するユニットをどうするか、時間をかけて考えたのだ。