NEO GENESISは「クラスメイトみたいな存在」

　QQという“家族”を失った天咲がどんな選択をするか。キャリアの中で大きな意味を持つのは明らかだった。だからキッドは本人の意思が固まるのを待った。

　そして今、自分で選んだ道で、天咲は楽しそうに闘っている。

「QQは家族で、自分はその末っ子でした。新しいユニットがどんな感じかと言ったら……学校ですかね（笑）。周りはお姉ちゃんじゃなくクラスメイトみたいな存在。家族ではないけど、なんでもしゃべれます」

　クラスメイトになら、家族には言えなかったことも言えたりするのだろう。QQは紫雷イオ（現WWEのイヨ・スカイ）が結成し、林下詩美、渡辺桃、上谷沙弥とトップ選手を輩出してきた。天咲もそんな実力派ユニットのメンバーであるという自覚が強かったようだ。

　しかし今は新ユニットのメンバー。同世代が主張し合って、すべてを新たに決めていく。そこに守るべき伝統はないし、遠慮もいらない。

「素の自分に近いのは、どっちかと言ったら今ですね」

　QQを失って、それでも笑っていられる場所ができた。そこが新たなスタート地点だ。“NEO GENESISの天咲光由”としての勝負に、彼女は笑顔でのめり込んでいる。《インタビュー第2回に続く》

（撮影＝細田忠）

#2に続く

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