「今は色々と試してる段階。プレミアリーグでなかなか勝てないので、監督も試行錯誤してやっていると思う。グラスナー監督とはフランクフルトで2年やりましたけど、2年とも開幕からスタートダッシュができなかった。クリスタルパレスでも、1回勝てばチームとして良くなっていくと思っています」

　たしかに、フランクフルト在任1年目のグラスナー監督は、ブンデスリーガ10節終了時で1勝6分3敗の厳しいスタートを切った。しかし同シーズン、欧州リーグで優勝。2年目も国内リーグで1分2敗と躓き、こちらもスタートは芳しくなかった。

　つまり、夏の市場で選手の入れ替えなどを行い、最適解を探しながらチームを強化していくのがグラスナー監督のやり方なのだろう。クリスタルパレスでも監督の戦術が浸透するにつれ、新加入の日本代表MFの存在感は増していくはずだ。

　日本代表でチームメートの三笘薫は、22日に行われたノッティンガム・フォレスト戦後、鎌田についてこう話していた。

「頭の良い選手で、走れる選手。ポジショニングも、攻守両方で本当に考えて取っているのがわかります。日本代表で一緒にやっていて、本当にやりやすい。いろんな人を繋ぐ役割ができる選手で、ほんとにすごいと思います」

日本代表のトレーニングで談笑する鎌田大地、三笘薫、南野拓実　©AFLO

　鎌田という選手はパスの出し手であり、受け手でもある。ポゼッションを円滑にするためフリーのスペースに侵入してパスを引き出し、チャンスと見ると前方にスルーパスを通す。ポジション取りも戦術的で、マンチェスター・U戦では愚直に守備のタスクをこなした。

　こうした鎌田について、グラスナー監督は「3−4−2−1のフォーメーションで、“2つの攻撃的MF”と“2つの守備的MF”の合計4つのポジションができる」と、ユーティリティ性を高く評価している。指揮官の試行錯誤のその先に、一体何が待っているのか──。クリスタルパレスの進化と鎌田の活躍に期待したいところだ。

「足を骨折していたかも」「とんでもないタックルだ」

　最後に、鎌田への危険なタックルについて記しておきたい。

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