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「ワンチームでいこう」DeNA勝負の秋に、坂本裕哉27歳が語るブルペン陣の絆…「康晃さんや唯斗さんの発案で」ベンチ入り、ハイタッチも
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/09/23 11:06
1997年生まれの27歳。2019年ドラフト2位で入団し、当初は先発を務めたが、今季はリリーフとしてキャリアハイの登板数を記録している
「いやもう本当に一番はファンの人の温かい声援ですよ。リリーフカーでマウンドに向かうとき、スタンドから『頑張れ!』『頼むぞ!』って声が掛かったり、またマウンドに立つと声援はもちろん僕の名前の入ったタオルをたくさんのファンの方が掲げてくれる。それを見たり感じたりすると、自分の気持ちのギアが一段上がるというか、強い後押しを受けながら投げているなって感覚になるんです」
痺れるような日々を力に
そう言うと坂本は苦笑しながらつづけた。
「正直、去年までハマスタの防御率ってめちゃくちゃ悪かったんですよ。だから誤解を恐れずに言えば、ハマスタで投げるのはあまり好きではなかった。けど今年は投げるたびに景色が変わっていったというか、ハマスタの風景が好きだなと思って投げられているので、すごく楽しめていますよ」
プロ5年目、大好きになったハマスタでの戦いは、まだ終わらない。
「ええ、チームメイト全員、可能性があるかぎり優勝をあきらめていませんし、僕としても100%の準備をしていきたい。本当、こんな痺れるような毎日を過ごした経験はないので、これを残りわずかですが大きな力に変えていきたいですね。どんな試合でも、どんな展開でも、いつも名前を呼ばれたいと思っていますし、声が掛かったらしっかりとチームに貢献したい」
チームにとって貴重な左腕リリーバー。かつての苦悩した坂本の姿は、もうない。チームから頼られ、未知の領域を突き進んでいる坂本が今季どんなエンディングを迎えるのか、勝負の秋は濃密さを持ってまだまだつづく――。