プロとなり過去一番のピッチングを見せてはいるが、そこは長丁場のペナントレース。坂本にとっても40試合以上の登板はすでに未知の領域であるが、パフォーマンスを下げないために重要視している部分はどこになるのだろうか。

「一番は、シーズン中であってもウェイト・トレーニングの量と質を落とさないことですね。あとはしっかり走って、運動量を確保する。もちろん疲労は溜まってくるんですけど、そこで単に休養するのではなく、トレーニングを入れながらリカバリーをすること。それをしないと、いざというときに出力が上がらなかったり、体に力が入らなかったりするんです」

森原が坂本に思うこと

　年間を通じコンディションを維持するための強度を落とさないトレーニング。これは昨オフにチームの守護神である森原康平と自主トレで過ごした、広島県福山市にある『Studio TAIKA』で学んだことだという。坂本が“師匠”と慕う森原は、今季の後輩左腕について次のように語る。

守護神森原は坂本と自主トレを共に行なう仲　©Kiichi Matsumoto

「とにかく気持ちが強くなりましたよね。マウンドでの振る舞いとかを見ていても、覚悟とか芯の部分が高まっているように感じます。あと自主トレでは、他の選手が1月から合流するのに、坂本は『モリさんと同じスケジュールで行きます！』と12月半ばから一緒に始めたんです。ああ、気合入っているなって。その気持ちと努力が今季のパフォーマンスにつながっていると思います。

　ブルペン内でもね、頑張ってますよ。自分以外のサポートの仕事をしたり、登板機会があるかわからない状況で肩を作って、またそれをリカバリーする。トレーニングも日々淡々と繰り返しているし、本当自主トレメンバーが頑張っていることで、僕も頑張ることができているんですよ」

　坂本にとって初めて長く過ごすブルペン。以前とは違った光景は見えているのだろうか。

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