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大谷への死球に激しい誹謗中傷。「匿名性の力」の怖さを考える。

posted2024/09/21 09:00

 
大谷への死球に激しい誹謗中傷。「匿名性の力」の怖さを考える。<Number Web> photograph by KYODO

レイズ戦で左手首に死球を受けた大谷。今季の死球数は5つ(9月5日現在)と少ないが、その衝撃は大きい

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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KYODO

 匿名性の力。石井岳龍監督の映画「箱男」を観て、改めて顔が見えないことの力を思う。

 映画「箱男」は安部公房の生誕100年に合わせて、1973年に出された同名小説を映像化したものだ。全身をダンボール箱にすっぽり包んだ「箱男」を中心に進む物語。映画の一つのテーマにあるのは、すっぽりとダンボール箱をかぶることで獲得する匿名性の持つ力である。

 主人公は全身をダンボール箱に隠して先代の「箱男」から受け継ぐノートに自分をとり巻く出来事や思いを書き込んでいく。しかし現代社会ではダンボール箱はPCとなりスマートフォンとなって、そこからSNSを通じて匿名の主張が発信されていくのである。

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