格闘技PRESSBACK NUMBER
「元キャバ嬢→スターレスラー」人気のウラには意外な“女性ファン”の存在あり? 記憶に甦るクラッシュ・ギャルズら「全女」全盛期のリング風景
posted2024/09/18 17:00
text by
欠端大林Hiroki Kakehata
photograph by
BUNGEISHUNJU
「趣味人の書店」として知られる東京・秋葉原の書泉ブックタワー。アイドル写真集やプロレス・格闘技関連書籍の売り上げでは日本屈指の売り上げを誇る「オタクの聖地」で、去る8月下旬に開催されたイベントが、出版業界でちょっとした話題になっている。
「少なくとも、ここ5~6年におけるプロスポーツ選手の1日の書籍売り上げとしては、1番の数字です」
そう語るのは、書泉ブックタワーの書店員である。記録を打ち立てたのは女子プロレスラーのジュリア(Giulia、30歳)だ。
女子プロレス最大手「スターダム」の看板選手だったジュリアは今年4月、同団体を退団。その後、ロッシー小川氏が旗揚げした新団体「マリーゴールド」に参加。そして既定路線だった今秋の米国WWE移籍を前に、これまでのキャリアを総括する自伝を上梓した。
8月25日に同店で開催された新刊記念イベントで、『My Dream ジュリア 自叙伝』(ホーム社)が808冊の売り上げを記録。複数冊の購入者が多かった関係で実際の来場者数は460人程度とのことだが、それでもかなりの動員であることは間違いない。同書はいわゆるブックライターなしの本人による執筆というから、これもプロレスラーの書籍としては異例である。
キャバ嬢、イタリア料理店長→レスラー…異色の経歴
イタリア人の父と日本人の母の間に生まれ、キャバクラ嬢やイタリア料理店店長といった異色の経歴を持つジュリアだが、その人気の源泉を読み解くカギとなるのが「女性ファン」の存在だ。
近年の女子プロレスを支えているのは主に40代以上の男性ファンだが、ジュリアの新刊イベントに集まったファンを観察すると、全体の20~25%が10~30代の若い女性だった。トップクラスの人気を誇る選手でも「ファンはほぼ男性」が当たり前の現在の女子プロレス界において、この女性ファン比率は注目に値する。