スロットが志向するサッカーは、悪い意味ではなくクロップ時代ほど速くはない。6番役には、プレッシャー下でもボールを受け、指揮官が重視する中央のパスレーンを作り、かつ利用して組み立てる「中盤の頭脳」的な働きも前提として求められる。

プレシーズンのトレーニングでリバプール新監督のスロットと話す遠藤　©︎Getty Images

「ボールの動かし方ひとつとっても、個の能力を生かしながら、チームとしてどう崩すかみたいなところに凄くこだわりを持っていると思うんです。中盤の真ん中でプレーする上では、ゲームをコントロールしなきゃいけないというのは僕に対しても言っているし。自分もクロップの時から、真ん中でプレーすることに対しての責任感というのは常に持っていたし、チームの心臓であり、ブレーンにもならなきゃいけないという意識はあるので、楽しみですね。周りとの関係性とかは、日本人が好む戦術だとも思っているので、上手くハマれば自分の良さを攻守においてしっかり出せると思います」

「スタメンだろうが、サブだろうが」

　決して、「気にしない男」の楽観視ではない。遠藤は、単なるボールハンターではないのだ。奪ったボールを素早く前につけるプレーは、以前から本人も口にしている持ち味の一部。昨季リーグ戦でのパス成功率は、チームの主力中4番手の88％だが、MF陣でこれを上回るのはカーティス・ジョーンズのみ。そのジョーンズに対しても、前方へと向かうパスの数では101対74で上回っていた。

「まずは監督のやりたいサッカーを理解しなきゃいけない。少しずつインプットはできているので、それを上手く、どうピッチに落とし込んでいくかが課題」

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