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「スタメンだろうが、サブだろうが関係ない」遠藤航31歳が語ったスロット新監督リバプールへの本音…開幕戦ベンチも記者に届いたメッセージ
posted2024/09/15 17:03
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
AFLO
スロット新監督の就任も「望むところ」
筆者は一連のプレーに、遠藤が以前よりも攻守のバランスを意識するようになった印象を抱いていた。
「そこが一番、自分に求められている仕事だったと思う。それぐらい任される方がやりがいはあるし、守備範囲も広くなった感覚がある。ただ、ベテランと言われる年齢になってきているので、監督のスタイルとか、チームメイトの特徴とか、そういうのを生かしながら、どうやってチームに還元、貢献できるかみたいなところを考えていくのが、今の自分に合ったスタイルなのかなと思っているんです。もちろん、個人としての成長は大事にしていきますけど、どちらかというと、チームを勝たせるために自分には何が必要なのか、何をしなきゃいけないのかを考える、という感じです」
そう言って遠藤は、「特に今シーズンは、それが重要になる」と続けた。
「監督も代わって、いろいろとディスカッションしながら、監督のやりたいサッカーを理解して、選手の特徴を生かすことが大事だと思う。自分は、そういう能力にも長けていると思っているので」
新監督の存在は、言ってみれば遠藤の立ち位置が危ぶまれるようになった理由でもある。だが本人に言わせれば、スロットの就任も「望むところ」だ。
「人としては凄くナイスガイで、話すのが好きな印象。やりたいサッカーをしっかり、はっきりと伝える監督で、凄く厳しさもあるというか、彼自身もリバプールに来たということで気合いを感じるし、選手に求めるレベルも凄く高い。普通に(モハメド・)サラーに対しても、プレーが良くないと思ったらミーティングでもそう話すし、みんな平等に扱いながら、伝えるべきことは伝える監督だなと」
前体制下では助監督が仕切っていた練習でも、新監督は自ら音頭を取る。
「パートごとに分かれる時などは任せていることもありますけど、基本的には監督が入ってコーチングしたり、指示したりしていますね。攻撃に関しては凄く細かく指示をするタイプで、特にポジショニングとかには強いこだわりを持っている監督だと思います。自分にとっては、凄くいい新たなチャレンジ。守備に関しては、ポジショニングとかも含めて評価はしてくれている印象なので、プラスアルファとして攻撃面でも、さらに高いクオリティで貢献することは、自分に求められている部分だと感じています」
「上手くハマれば自分の良さを出せる」
プレシーズン中、システムが4-2-3-1であれ、4-3-3であれ、最も頻繁に“試用”が行われたのは中盤の顔ぶれだった。その中で、攻撃的だが昨季も前半戦で中盤の底を任されたアレクシス・マカリステル以上に、指揮官の祖国オランダの名門、アヤックス仕込みの技術を持つライアン・フラーフェンベルフが、新体制下の6番として有力視されるようになった。