サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「普通なら顔が引きつっても…」森保監督が驚く“192センチDF”高井幸大20歳とは何者か? 川崎で憧れた先輩・谷口彰悟も「どんどんビッグに」
posted2024/09/09 11:01
text by
菊地正典Masanori Kikuchi
photograph by
JFA/AFLO
20歳の高井幸大はニヤリと、笑った。
サッカーW杯アジア最終予選・中国戦。4点をリードして迎えた後半26分、森保一監督は初招集した192cmの大型ディフェンダーを投入した。
代わるのは同じ川崎フロンターレ下部組織出身の板倉滉(ボルシアMG)、一緒にピッチに投入されたのは同じく先輩の田中碧(リーズ)。Jリーグファンからすればそれだけでも胸があつくなるが、A代表デビュー戦で最終ラインを形成したのが、小学生だった高井が“憧れの選手”として挙げていた谷口彰悟(シントトロイデン)だったことは、新しい時代の幕開けすら感じさせる。
「普通なら顔が引きつってもおかしくないのに」
森保監督も、平常心を保つ若者に驚いた。
「パリ・オリンピック年代ということはもちろん承知していましたが、非常に落ち着いたプレーでチームの活動にスムーズに入っていました。20歳になったばかりという部分は、あの落ち着きからは感じられないです」
「(9月4日が誕生日で)昨日、一昨日まで19歳だとは思っていなかったです」と冗談めかした森保監督だったが、動じない姿に頼もしさを感じていたからこそ、起用に動いたのだろう。
高2でプロ契約、飛び級でパリ五輪出場
高井がプロ契約を結んだのは高校2年だった。早々にトップチームデビューを果たし、通常なら高卒2年目に当たるが、すでにチームでは主軸を担う。昨年にFIFA U-20ワールドカップに出場し、先日のパリ五輪では最年少でU-23日本代表に招集された。そこでの活躍が認められ一気にA代表まで駆け上がった。
恵まれた体躯や元ストライカーとしての攻撃センスなど秘めるポテンシャルは大きいが、高井の魅力は、その落ち着きにある。