- #1
- #2
バレーボールPRESSBACK NUMBER
「真佑、バレーうまくなったね」石川真佑(24歳)に届いた親友からのメッセージとは?「高校の頃は一緒に泣いたり、笑ったりできたけど…」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2024/08/30 17:01
パリ五輪を終え、新しいシーズンに向けてイタリアに飛び立った石川真佑(24歳)
練習がない休日も寮の部屋にこもりがちな石川を誘い、「ドーナツ店で全メニューを制覇する」とか「好きなフルーツを買いまくる」などYouTuberさながらの娯楽に付き合わせるのが野呂の役割。「無理でしょ」と言いながらも、なんだかんだ付き合ってくれるのが石川だったと野呂が笑う。
「基本的に真佑は真面目で慎重だから、自分からこれやろうとか、やりたいとか言わないんです。でも根はテキトーだから、フルーツを買う時も、一応上限はトータル1万円と決めたのに、シャインマスカットを買いまくって、1万円も軽くオーバーした。うそでしょと爆笑しながら2人でひたすら食べました(笑)」
現役を引退してから、野呂はほとんどバレーボールを見なかった。嫌になったとか、離れたいというわけではないが、あえて見る理由がなかった。石川が日本代表として活躍しているのはもちろんわかっていたし、応援する気持ちに変わりはなかったが、結果もインターネットで見る程度。特別、意識していたわけではない。
野呂の性格を知る石川からも「加南子、いつも私が出ていても試合、観ていないでしょ」とからかわれ続けてきた。だがそんな野呂が唯一、石川から「たまには観て、応援してよ」と言われたのを機に、食い入るように観たのがパリ五輪だった。
親友が驚いた石川真佑の進化
さすがに現地まで応援には行けないが、真佑が応援してと言うならば、とハチマキとうちわを購入し、オリジナルのイラストを描いた応援グッズと共にテレビの前から声援を送った。拮抗した試合展開に「ドキドキして手が冷たくなった」と振り返りながらも、それ以上に驚かされたことがあった、と野呂が興奮気味に語る。
「めちゃくちゃバレーがうまくなっていて、びっくりしました。攻撃はもちろん高校の頃からすごかったですけど、ブロックアウトも段違いに上手だし、一番はレシーブ。何でも拾うじゃん、って思ったし、こんなえぐいサーブも全部返すのかよって。昔から真佑は『加南子のディグ、うまいよね』と褒めてくれたので、まんざらでもなかったんですけど(笑)、もう冗談でも『私のほうがうまい』なんて言えないわ、と思いました」