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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「AZMと天咲にも急がせるつもりはなかった」スターライト・キッドが明かす“新ユニットNEO GENESIS結成”への思い《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byEssei Hara
posted2024/08/30 11:03
新ユニット『NEO GENESIS』を結成し、キャリア第3章をスタートさせたスターライト・キッド
「私たちが組むのが一番いい」動いたキッド
結果、QQは大江戸隊に敗れAZMはユニット脱退。そうなった瞬間にキッドは動いた。
「同じ大会で、私は(星来)芽依ちゃんとシングル。これは私たちが組むのが一番いいなって。芽依ちゃんと(鈴季)すずがタッグを組んでいて、AZMと光由もタッグ。この2チームを崩さないまま、そこに私が入ったら最強だと思ったんです」
実際にチームを組んでみると、すぐにAZMが「楽しい」と言ってくれた。
「合計3回“楽しい”って言ってくれたのかな。それは凄く大きなことでしたね。私自身、去年はケガもあったしダメダメだった。今年4月には大江戸隊を追放されて。でもそこで、支えてくれる人がいた。無所属としていろんな選手と組むことで、プロレスがまた楽しくなっていったんですよ。だからAZMにもプロレスを楽しんでほしいし、AZMが“楽しい”と言ってくれるのが私には嬉しい」
これまでも数々の名勝負を残してきたキッドとAZM。ビッグマッチのメインイベントで対戦することが、2人の長年の夢だ。実現すれば、今後はそこにユニット同門対決という意味も加わることになる。
「そうなるのは予想してなかった(笑)。でも新しい見方ができるわけだから、お客さんも楽しんでくれると思います」
同世代のNEO GENESISは「ライバルでもある」
7月28日の札幌大会で正式なユニットとしてお披露目。名前は『NEO GENESIS』に決まった。ユニットを組んでも、常に対戦することが念頭にあるという。
「やっぱり私たちはライバルでもあるので。AZMだけじゃなく芽依ちゃんもすずも同じです。組んだら楽しいけど、負けたくない相手でもある。そこは同世代ですからね。私以外の4人は全員、2002年生まれなんです。私は年齢非公開だけど、まあ少しだけ上。まさかユニットのメンバーが全員年下なんて(笑)」
キッドは10代でデビューし、将来を嘱望されながら「まだ若いから」と言われてもいた。しかし今では同世代のライバルがたくさんいて、ユニットを結成するまでになった。
時間をかけて作った、思い入れのあるメンバーたちとのユニット。スターライト・キッドの第3章は、大きな結果を出すための期間になるだろう。
《後編に続く》
(撮影=細田忠)