「変化球を投げる時にフォームが緩んでしまう点や、クイックの時の体重移動は改善点です。今は下半身の強さが足りないので、球に力が十分に伝わっていない面もあります。ただ、体をつくって下半身が強化されれば課題は解決して、球速や球威も二段階、三段階上がる可能性を感じています」

　東海大相模からドラフト1位で巨人に入団して11年間プロで過ごした原監督も藤田の将来性にほれ込み、「これからの選手」と期待を寄せる。次のステージに進んでも、他の選手にはない198センチの長身を武器にして潜在能力が開花すると信じている。

「エースナンバーを背負えるようにならないと、藤田は伸びないと考えていました。投球やポテンシャル、取り組みも気持ちも総合的に見てエースにふさわしい投手になりました。彼は、もっと大きく飛躍する選手です。高校時代は間に合わなかった部分がありますが、大人の体になったらグッと変わってくるはずです」

©Hideki Sugiyama

藤田自身も「まだ高校生活で進化する時間はあります」

　藤田も先を見据えている。

　現時点の課題に「下半身の粘り」を挙げ、「大学とプロ、どちらを選択しても自分に足りないところを改善できるように全力を注ぎます。それに、高校野球は終わっても、高校生活は残っています。まだ進化する時間はあります」と力を込める。

　初めての甲子園では、長身を生かした直球に確かな手応えを得たという藤田。聖地で大きな一歩を刻み、次の舞台へ歩み始めた。