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「ロスでは金メダルを」女子卓球「打倒中国」へ、次回五輪の代表選考をどうするか? 早田、平野、張本、伊藤だけじゃない“未来予想図”
posted2024/08/13 17:04
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
パリ五輪、女子卓球は早田ひながシングルスで銅メダルを獲得し、団体では銀メダル。早田がシングルスの途中で左手を痛めるアクシデントもあった中、好成績をおさめて大会を終えた。
シングルスのメダルは東京五輪の伊藤美誠に続き2大会連続、団体でのメダルは2012年から4大会連続を数える。団体は決勝で中国に0-3で敗れるまで、準決勝ドイツ戦で1試合を落とした以外全勝で勝ち上がり、中国に次ぐ地位にいることを示した。
早田のアクシデントの影響もあり、団体ではダブルスの組み合わせなど当初の予想と異なるオーダーで臨んだが、その中での彼女たちの柔軟な戦いぶりは、それぞれの地力を証明するものだった。シングルス、団体ともに「打倒中国」はかなわなかったが、日本女子卓球界の地力のたしかさをみせた大会だったともいえるだろう。
それは代表争いから明確だった。今なお、世界有数の実力者の一人である伊藤が代表に入れなかったことが象徴するように、東京五輪後、長期間にわたりハイレベルな代表争いが展開されてきた。
「金メダルを獲るまでは」
石川佳純が東京五輪ののちに引退し、早田が代表をつかみ、平野美宇が団体に出場した東京から今度はシングルスの代表をつかんだ。そして張本美和が台頭し、24歳の早田と平野、16歳の張本と、世代の幅もあるメンバー構成だ。年齢的にみても、3人ともにこれからさらに伸びていける選手たちだけに、次のオリンピックへの期待もかかる。
何よりも早田と張本自身が次へと目を向ける。
「金メダルを獲るまでは、私は燃え尽きることはないと思います。燃え尽きないために、金メダルを獲らせてくれなかったのかなと思っています」(早田)
「負けて悔しい部分は、次で返せれば。ロサンゼルスでは金メダルがほしいです」(張本)
平野はこう語っている。