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「1%-99%の大逆転、その後もスゴい…」藤井聡太22歳vs渡辺明40歳“パリ五輪並みにアツい”真夏の大決戦…観る将がマンガで描く将棋界
posted2024/08/03 06:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida/日本将棋連盟
いやあ、とにかく大熱戦の連続……パリ五輪、そして将棋界も、です。
「7月末は特に凄まじかったですよね。30日に王位戦第3局第1日を見て緊迫したテンションのまま、五輪を見て大興奮! で、そのまま朝になって王位戦2日目、ってもう記憶が前後してワケわからなくなって、将棋界1カ月の出来事を整理し直してたら作業遅れましたすみません……」
編集担当さんの言い訳も少し共感できます(笑)。
ということで、夏の将棋界をイラストとともに振り返っていきましょう!
1)永世棋聖獲得・藤井七冠vs渡辺九段のアツい王位戦
将棋界八大タイトルの中で夏に行われる2つのタイトル戦、7月末時点でこのような結果になっています。
〈第95期棋聖戦五番勝負:藤井聡太棋聖vs山崎隆之八段〉
第1局:6月6日@千葉県木更津市 藤井1勝
第2局:6月17日@新潟県新潟市 藤井2勝
第3局:7月1日@愛知県名古屋市 藤井3勝
※藤井防衛
〈第65期王位戦七番勝負:藤井聡太王位vs渡辺明九段〉
第1局:7月6・7日@愛知県名古屋市 藤井1勝
第2局:7月17・18日@北海道函館市 渡辺1勝
第3局:7月30・31日@徳島県徳島市 藤井2勝
棋聖戦は独創的な指し回しの山崎八段に対して、藤井棋聖が3連勝で5期連続となる同タイトル制覇を成し遂げました。これによって「永世棋聖」の資格を21歳にして得ました。
この時点で藤井七冠は、21歳11カ月でした。これまでの永世称号獲得の最年少記録は中原誠永世棋聖の23歳11カ月……それを2歳も若く記録更新を成し遂げているんですから、さすがと言うばかりです。
その一方で多くの将棋ファンに愛され、注目していた「山ちゃん」こと山崎八段は15年ぶりのタイトル戦で悔しい結果に終わりました。棋聖戦中継ブログによると終局後のインタビューでは……。
〈タイトル戦に出られることは幸せなことで、3局を通して素晴らしい対局場で指させていただいて、ありがたいと感謝しています。藤井棋聖と3局指してもっと強くなっておいて、挑戦したかったです。もっと強ければ、楽しさはもっと無限にあっただろうなと感じます。改めてそういう気持ちにさせていただいたタイトル戦でした〉
とのこと。ぜひまた、山崎八段の雄姿を大舞台で見たい。改めてそう思う棋聖戦でした。
1%-99%の大逆転劇以降も…藤井vs渡辺がアツい
現在進んでいる王位戦では、藤井王位に対して久しぶりに渡辺九段が挑む構図になっています。