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「大丈夫、いつか終わる」大病から5年…池江璃花子が明かす“闘病からの復活”「一人で昔の映像を見て、涙が止まらなくなったことも…」 

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池江璃花子

池江璃花子Rikako Ikee

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photograph byAsami Enomoto

posted2024/07/27 11:03

「大丈夫、いつか終わる」大病から5年…池江璃花子が明かす“闘病からの復活”「一人で昔の映像を見て、涙が止まらなくなったことも…」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

白血病の公表から5年ーー再びプールに戻るまでの過程を綴った著書『もう一度、泳ぐ。』を刊行した池江璃花子

 入院中も最初は書いていたのですが、体調が優れない時も多くなっていったので書かなくなりました。でも、書いていたものを読み返すと、こんな風に感じていたんだなと思いますね。辛いことを周りの人に言えない分、日記に書いていたというのはあります。

 退院しても、手帳にはまだ何も書いていません。いつの試合に出られるかも決まっていないですし、自分の実力は一回泳いでみないと分からないですからね。一回試合に出られたら、また新たに手帳を作るんじゃないかなと思います。

 水に入るようになってからは本当に回復が早くて、筋肉も、陸上でトレーニングをするよりも泳いでいた方が戻ってきています。今までずっと泳いできた自分にとっては、泳ぐことがすごく大事な筋力トレーニングになっていると実感しています。

グループ練習で別の悩みが…

 6月にグループ練習を始めてからは、別の悩みが出てきています。私の場合、他の人よりも自分の限界以上にいっちゃうんです。だから、気持ちは前向きでも、追い込みすぎて体がついていかない時があります。まだ、体重と筋力と追い込みのバランスが合っていないので、体に負荷をかけすぎちゃうことがあるのです。

 体重計に乗ると、普通の状態に比べるとまだまだ軽いのに、もっと軽い数字を見ているので、ああこんなに増えちゃったのかって思うんですよ。増えているのは良いことなのに、ちょっとショックでもある(笑)。

 筋力がついてきたので、練習でのタイムも縮まっています。毎回タイムが縮まっていくので、チームメイトもその度に驚いています。自分にとっては喜びです。

 フォームや技術面はあまり変わっていないと思います。技術面は意外と忘れていなかったですね。自分の持ち味である肩の可動域も、泳がなかった期間が1年以上あったのに、全く硬くなっていなかった。意外と前の状態と変わらなくて、自分の強みが残ってくれていて、安心しました。

一番近い目標

 当面の目標は、10月のインカレ(日本学生選手権)でレースに復帰することです。昨年9月のインカレは、ちょうど一時退院していたタイミングだったので、会場を訪れました。絶対に来年は自分が出てやる!という気持ちで仲間のレースを見ていました。今年は絶対に達成したい、それが一番近い目標です。

 一度何かのレースに出たら、その後のタイムや試合が見えてくるのではと期待しています。その後はパリ五輪です。出場し、メダル獲得という目標で頑張っていきたい。そして、年齢に関係なく行けるところまで泳いでいきたいと考えています。

<続く>

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#2に続く
「もう一度プールに戻りたい」池江璃花子が辛い治療を乗り越えるために頼った気持ち「未来が一夜にして別世界のように…とてもきつい経験でした」

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