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【21歳に】池江璃花子の肉体・心理面は何がスゴいのか 元五輪スイマー伊藤華英が「信じられない」と語ることとは?

posted2021/07/04 11:00

 
【21歳に】池江璃花子の肉体・心理面は何がスゴいのか 元五輪スイマー伊藤華英が「信じられない」と語ることとは?<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORTS

競泳日本選手権、100mバタフライで優勝して涙と笑顔を見せた池江璃花子

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伊藤華英

伊藤華英Hanae Ito

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YUTAKA/AFLO SPORTS

4月上旬に行われた競泳日本選手権で4冠を達成し、東京五輪の日本代表に内定した池江璃花子。白血病発症からのわずか2年で“日本ナンバーワン”の存在に戻った彼女の凄味を、元五輪スイマーの伊藤華英氏に語ってもらった。21歳となる今日、改めて公開する(初出:2021年4月26日配信)

 日本選手権、まずは無事できたことにホッとしています。

 コロナ禍で選手たちも調整のところでも、今までとは違うかたちで調整してきたと思うので。そういう意味ではよく頑張ったなと思います。その中で東京五輪に向けて、200m平泳ぎの佐藤翔馬選手と、200m自由形の松元克央選手という金メダルを狙える選手だったりというのが、最低でも2人は出てきたことは素晴らしいなと思います。

 そのハイレベルな競争が生まれるきっかけとなったのは、やはり池江璃花子選手の頑張りでしょう。それによってすべてのスイマーの向上心がさらにかき立てられ、相乗効果を生んだのだと思います。

 池江選手については大会前に「可能性があるのは100m自由形」とお話ししましたが、4冠という結果になって……正直なところ、私もビックリしたのですが(笑)。

 あらためて現状の池江選手が見せてくれた素晴らしい泳ぎ・スイマーとしての心理面を振り返ってみましょう。

泳げる喜びから勝ちたい気持ちに変わっていた

 1本目の100mバタフライ優勝時で涙を見せていましたが、池江選手も“どこまで泳げるか”と、予測ができていない分だけ不安はあったと思います。ただしその一方で“57秒台で泳ぎたい”とは思っていたはず。その中で決勝では57秒77というタイムで優勝するのだから……腕立てが1回もできないところから、ここまでホントによく頑張ってきたな、と心を打たれました。

 リオデジャネイロ五輪では決勝に残っていますし、彼女の中ではバタフライで勝負はしたいという気持ちは強かったと思います。だからこそ、思い入れのあるバタフライで勝ったことで、一気に勢いに乗っていけたのだと思います。

 この劇的な勝利の裏側に、彼女のアスリートとしての心境の変化があったことは見逃せません。泳げる喜びから勝ちたい気持ち……そこにすごく素直に向き合っていました。

 それはどういうことか。

【次ページ】 レース1本、1本を無駄にしなかった

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