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「年俸339万円だった右腕が…」中日ファンが思い入れる新星・松木平優太とは何者か?「両親と幼少期に別離」の境遇「夢はいつかおばあちゃんと…」 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2024/07/14 17:00

「年俸339万円だった右腕が…」中日ファンが思い入れる新星・松木平優太とは何者か?「両親と幼少期に別離」の境遇「夢はいつかおばあちゃんと…」<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

先発抜擢のチャンスをものにして存分にアピールした中日・松木平

 西日本会場にエントリーした松木平は、シート打撃では打者5人から3奪三振。球速も140kmをオーバーし、スカウトの評価を高めることに成功した。堺市から兵庫県西宮市の甲子園までは、電車に乗れば1時間ほど。しかし松木平にとっては近くても遠いあこがれの球場で、プロへの道を切り開いたことになる。

 大好きなおばあちゃんには、幼少のころから「人生は思ったようにはいかないことだらけだけど、あきらめたらダメ」と教わってきた。今回の支配下登録を真っ先に報告したのもおばあちゃん。泣いて喜んでくれたそうだが、松木平は「これがゴールではなくやっとスタートだということはわかっています」と表情を引き締めていた。

「宏斗は雲の上の存在」

 球界OBや解説者の多くは、今回の登板内容を称賛し、さらなる成長を心待ちにするコメントを発している。高卒4年目。同期には1位指名の高橋宏斗がいる。すでに侍ジャパンの一員として世界一にも輝いている高橋とは大の仲良しだが「宏斗はまだまだ雲の上の存在です」と素直に話す。

 高橋もまた、中京大中京高では明治神宮大会を制し、出場を決めていた春のセンバツでは優勝候補の筆頭に挙げられていたが、大会そのものがなくなった。「夏こそは」もかなわなかったのだが、泣き言や愚痴は一切口にしなかった。この2人に共通するのは屈託の無さだろう。今日の不遇にうつむかず、明日のために前を向く。低迷が続くドラゴンズをこの2人に託したい。いつかはこの雨も上がり、青空が広がる。多くのファンもきっとそう思っているはずである。

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