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「年俸339万円だった右腕が…」中日ファンが思い入れる新星・松木平優太とは何者か?「両親と幼少期に別離」の境遇「夢はいつかおばあちゃんと…」
posted2024/07/14 17:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
SANKEI SHIMBUN
セ・リーグ下位に低迷する中日に突如出現した新星に、ファンは喝采を送った。7月10日のDeNA戦(横浜スタジアム)で、松木平優太(まつきひら・ゆうた)が先発で一軍初登板。その2日前まで年俸339万円だった育成右腕が、2億3000万円の牧秀悟を3打席凡退に打ち取るなど、7回を8安打、3失点に抑えた。
待ち望まれていた右腕
敗戦投手にはなったものの、強打線を相手に一切ひるむことはなく、与えた四球も1つだけ。立浪和義監督も「もう一度チャンスをあげたい」と合格点を与えた。
8日に支配下登録され、背番号は「206」から「69」に、年俸は上がってなお420万円。しかし、ナゴヤ球場に日参する熱心なファンの間では、早くからプロスペクトとして位置づけられ、支配下昇格が待ち望まれていた。
立浪監督の評価も高く、2年目から一軍キャンプに抜擢。ポテンシャルの高さを数字で裏付けたのが今シーズンのウエスタン・リーグでの無双ぶりだ。14試合に投げリーグトップの9勝3敗、防御率1.84。二軍レベルでないのは明らかで、オールスター前の8連戦で先発投手が不足するスケジュールに合わせ、支配下登録と先発抜擢が決まった。