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パワハラ騒動で楽天退団→メキシコでオールスター出場…安楽智大、現地での“本当の評価”「通訳といつも一緒」「打者が慣れてきた。でも…」
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byRyu Voelkel
posted2024/06/28 06:00
楽天退団のきっかけとなったパワハラ騒動について『週刊プレイボーイ』で語った安楽智大。野球選手としてはメキシコでどのように評価されているのだろうか
一方で、オールスター選出発表のあった17試合登板時点では防御率2.16だったが、31試合登板時点で同3.56と徐々に悪化。ディアブロスにアナリストとして雇われ、現在同球団のアカデミーでオペレーションディレクターを務めるオクタビオ・ヘルナンデスはこう分析する。
「標高が高いとボールの変化は小さくなる。それは速球でも同じだ。だから球速や球威、コントロールが必要になる。それらがあれば、高地でも左右されないからね。安樂の特徴として、ストレートはフラットだ(※動きが少ないという意味)。だから打者が慣れてきたのだろう。でも、強力なスプリットとコントロールを武器に抑えている」
どれくらい馴染んでいるのか
今季のメキシカンリーグはレベルが急激に高まり、安樂は「3Aとほぼ互角」とメジャー経験を持つチームメイトから聞いている。求められる成績を残せなければ1試合でクビになるケースも珍しくなく、「NPBでプレーできない選手が移籍する場所」という位置づけではない。
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そうしたメキシカンリーグで首位を独走するディアブロスで、安樂はどれくらい馴染んでいるのだろうか。
「いつも通訳といるから、正直わからないんだ」
ディアブロスの広報、ミゲル・ボアダはそう話した。一方、試合中にベンチ隣のカメラマン席から撮影していた写真家の龍フェルケルによると、チームメイトと英語で会話を交わしていたという。その一人で、安樂とよく話すというバウアーに聞くと「自分で話すこと以上に、言われた内容は理解していると思う」と答えた。
食、言語…メキシコに溶け込もうと努力
言わずもがな、安樂はメキシコで外国人選手だ。チームに溶け込めるように、英語とスペイン語で話しかけているという。