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結婚、右WB…堂安律が26歳に「リツがやってのけた!」ドイツ恩師も驚く“レバークーゼンだけじゃない”学び「内田さんと長友さんの場合は」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJFA/AFLO
posted2024/06/16 11:00
6月シリーズで新境地を見せた堂安律。26歳となった彼の貪欲さが現れたエピソードとは?
例えば、昨シーズンのレバークーゼン戦。ニアサイドで多くの選手がおとりになり、ファーサイドでフリーになった堂安が押し込む形を監督は指示。果たして、堂安は見事にゴールを決めた。
フライブルクはここ何年もセットプレーからの得点数でリーグを独走してきた。そして、それほどの強さを誇った要因が、入念にデザインされたCKだ。とはいえ、堂安の身長は172cmとかなり小柄。身長の高さだけなら、堂安がCKの際にゴール前に入ることなどありえない。それでもシュトライヒ監督は身長ではなく、堂安の得点力を評価していた。だからこそ、意図してそのデザインを組んだのだった。
それとともに――。
堂安がフライブルク加入を決める際の面談でシュトライヒ監督は「俺はオマエのそういうところ(※課題としている部分)を直して、育てたい」と伝えている。
リツがやってのけたことだ!
堂安自身には守備が苦手という意識はなかったが、堂安の持っているポテンシャルを考えれば、攻守両面でもっと成長できるという確信がシュトライヒ監督にはあったのだ。
加入2シ-ズン目の終盤となる今年4月。ダルムシュタット戦で、堂安は右ウイングバックでの守備のタスクをこなしたうえで、決勝点をマークした。高い基準のプレーぶりに、シュトライヒ監督が手放しで賞賛した。
「リツはデュエルの部分でやり方を変えないといけなかった。素晴らしいのは(守備での負担が増えた役割を)彼がやってのけたことだ。興味深いのは、彼が守備における存在感を増していったのと同時に、得点も増やしていったことだよ」
つまり、こういうことだ。
所属クラブでの1年間で、ヨーロッパサッカーのトレンドを吸収しつつ、監督から寄せられた期待のもと、堂安は自身のプレーをアップデートさせたのだ。
堂安は“ザック時代の長友・内田”からも学ぼうと
それだけでも大いに意味がある。ただ、それで終わりではなかった。
彼はザッケローニ時代の日本代表からも、学んでいる。
シーズンが終わり、代表活動に入ってからは、尊敬する長友佑都から学んだ。たとえば、2014年ブラジルW杯を目指すチームを指揮していたザッケローニ監督のもとでの3バックの取り組みについて。
長友はこう振り返っている。