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「あれは本当に悔しかった…」ファンの言葉に葛藤した“闘う女優”青野未来が、女子プロレス新団体のエース候補になるまで…再会したい“4人のレスラー”
posted2024/06/11 11:04
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
「人生何があるか分からない」
青野未来は、その意味を実感している。
5月に旗揚げした女子プロレスの新団体・マリーゴールドに参加すると注目度が急激にアップ。X(旧Twitter)のフォロワーも1000人単位で増えたという。
アクトレスガールズで抱えていた「悔しさ」
旗揚げから3連勝を飾ると、初の地方遠征では元スターダム王者、女子プロレス大賞受賞の林下詩美と真っ向勝負。団体公式Xで「エース候補」と評された。
そんな青野だが、4月までは“離れ小島”のような場所にいた。アクトレスガールズという集団だ。演劇をはじめ芸能分野から人材を集め、多くの人気選手を輩出してきた。青野も演劇をしていてスカウトされた、いわば“闘う女優”だ。
しかしアクトレスガールズは、2022年からプロレス団体としての活動をやめた。プロレスをアクションシーンに使う演劇「アクトリング」、プロレスをもとにしたエンターテインメント・パフォーマンス「アクトレスリング」の2つの軸で活動。青野はそのエースとなった。
プロレス界と距離を取ったため、プロレス専門媒体からの取材はなくなった。プロレスを続けたい選手たちが大量に退団してもいる。とりわけスターダムに移った選手たちは知名度を上げた。青野は複雑な思いを抱く。
「みんなの活躍は嬉しいけど、悔しさもありました。特に後輩たちの活躍は悔しくて。桜井まい(マリーゴールドに移籍し桜井麻衣に改名)ちゃん、月山和香ちゃん、向後桃ちゃん。(壮麗)亜美ちゃんはタイトル戦線でやってますし。新体制のアクトレスガールズは土俵が違うものになったとはいえ“抜かれてしまった”という悔しさはありました」
「“いつやめようか”という段階でした」
青野自身、アクトレスガールズ旧体制の末期にタッグ王者となり、これからさらに成長するため先輩たちと闘いたいと考えていた。しかし団体の方針変更で、その先輩たちがいなくなってしまう。一方、アクトレスガールズ新路線の魅力も打ち出せない。事前に勝ち負けを決めているエンタメだと公言する「アクトレスリング」だが、見た目は普通のプロレスと同じだ。何が新しく、どう面白いのかが伝わらなかった。
「これでいいのかな、これって面白いのかなと思いながら、試行錯誤していました」