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「なぜ女子バレー部は減少、男子バレー部は増加?」令和の高校生が選ぶ部活はこんなに変わった「いま急増中の部活とは?」10年間でトレンド激変 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2024/05/08 17:01

「なぜ女子バレー部は減少、男子バレー部は増加?」令和の高校生が選ぶ部活はこんなに変わった「いま急増中の部活とは?」10年間でトレンド激変<Number Web> photograph by Getty Images

高校の女子バレー部は10年間で8.4%ほど減少している(※写真はイメージ)

 微増の男バレなど歯牙にもかけないほどの勢い、それはダンス部だ。

 ダンスにはいろいろな大会があるが、「ダンス甲子園」と呼ばれる「日本高校ダンス部選手権」がテレビで放送されるなど、認知度が高い。第1回大会が2008年に開かれたが、参加校数についての記事を検索すると、次のようなデータが出てきた。

 2014年 349校
 2018年 456校
 2019年 495校

 バレーやバスケに比べて母数は少ないが、ものすごい伸長率だ。

 2017年には、今では女優として活躍している伊原六花がセンターを務めた大阪府立登美丘高校がダンス甲子園で優勝、彼女たちの「バブリーダンス」はセンセーショナルな話題となった。

 もともと、2012年の学習指導要領改訂により、中学校の1、2年生はダンスが必須科目になって浸透する土壌は広がっていたが、バブリーダンスは次のフェイズに移行する「起爆剤」になったように思える。

 そして、2023年は621校が参加している(生島による各ブロック大会の参加校積算。公式HPでは夏・冬・春の3大会で900校、参加者16000人とある)。

 ダンス部の伸長理由には、レギュラーの人数も関係していると推測される。「ダンス甲子園」では 2人から12人までを「スモールクラス」、13人以上から40人までを「ビッグクラス」として分けている。少人数で参加できることも大きいが、レギュラーが40人いるというのは、スポーツの競技では考えられない。つまり、ビッグクラスの学校で活動すれば、「試合に出られるチャンス」が膨らむのだ。この器の大きさも、ダンス部の大きな魅力ではないだろうか。

 日本バレーボール協会の川合俊一会長も、言っていた。

「今までであればバレー部に入っていた生徒さんが、ダンス部に入っていることは十分に考えられるんですよね」

 ダンス部の隆盛は、日本のスポーツ界に少なからず影響を与えている。

<《消滅可能性部活》編へ続く>

#2に続く
高校野球部vs高校サッカー部「全国で部員数が多いのはどっち?」高校生が選ぶ部活、こんなに変わった「10年間で40%減…“消滅可能性”部活とは?」

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