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高校野球部vs高校サッカー部「全国で部員数が多いのはどっち?」高校生が選ぶ部活、こんなに変わった「10年間で40%減…“消滅可能性”部活とは?」

posted2024/05/14 17:29

 
高校野球部vs高校サッカー部「全国で部員数が多いのはどっち?」高校生が選ぶ部活、こんなに変わった「10年間で40%減…“消滅可能性”部活とは?」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

高校野球部vs高校サッカー部、部員数が多いのはどっち? 甲子園地方大会の参加校は19大会連続で減少しているという

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 前回の記事でマンガ、アニメなどのコンテンツが部活動に与える影響と、ダンス部の大躍進を書いたところ、関係者からの反応が多く寄せられた。

「ラグビーをする高校生が減っているのは、現場に携わっていると実感します」
「男子バスケットの登録者人口が減っているのは、クラブの影響もあるのでは?」
「やっぱり、ダンスですよね」

 そしてさらに調べて、驚いた。

 男子バレーボール部は2750校から2756校へと加盟校数は「微増」だったが、登録部員数が2013年の3万5597人から、5万853人へと大幅に増加しているではないか! なんと42.9パーセント! 少子化社会の令和にあって、こんなことが起きていたなんて。

 平均部員数を割り出してみると、12.9人から18.5人に増えている。

 前回の原稿で指摘した通り、2012年から2020年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された『ハイキュー‼』の効果は、当初考えていた以上のものがあった。

じつは“自転車競技部”が増えていた

 そしてもうひとつ、コンテンツ効果が顕著な部活動を発見してしまった。

 自転車競技だ。

 2013年は全国で男子の加盟校が228校だったのが、244校へと増加し、部員数も1464人から1568人に増えている。

 母数は少ないとはいえ、マイナー競技においては競技人口が増えることは大きな意味を持つ。この増加は……『弱虫ペダル』の影響じゃないか?

 秋葉原に通っていたオタク少年の小野田坂道。彼が高校入学後に自転車競技部に入って物語が始まるこの作品は、ヤマ場がインターハイということもあり、高校からの入部希望者には大きな影響を与えたに違いない。

 2008年から「週刊少年チャンピオン」で連載開始、今は「別冊少年チャンピオン」に舞台を移して連載は続いており、コミックは実に89巻まで到達。舞台、テレビアニメ、実写版の映画と様々なメディア展開が続き、いまも影響を及ぼしている。

 特に興味深かったのは、『弱虫ペダル』の舞台である千葉県の学校が5校から9校、東京の学校が14校から22校へと増えていることだ。マンガの舞台となる地域もまた、競技人口に影響を与えていることが推察される。

高校サッカー部vs高校野球部「どちらが多い?」

 コンテンツの影響力は侮れないものがあるが、さて、実際の競技の影響力はどの程度あるのだろう?

【次ページ】 高校サッカー部vs高校野球部「どちらが多い?」

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