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「ノモさんは僕に再起する力をくれた」マイナー解雇→メジャー先発復帰、ドジャースの戦友・朴賛浩が今も感謝する「野茂英雄の背中」
posted2024/04/29 11:06
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
JIJI PRESS
3月20日に韓国・ソウルで行われたメジャーリーグ開幕戦、ドジャースvs.パドレス。始球式を行った朴賛浩が口にしたのは戦友・野茂英雄への感謝だった。
野茂英雄さんという樹木は非常に偉大でした
詰めかけた日本メディアへのサービスコメントではない。「コリアンエクスプレス」と呼ばれた韓国の英雄は、約12分に及ぶ記者会見の間に「NOMO」という名を6度も口にして感謝の思いを表した。
「野茂英雄さんという樹木は非常に偉大でした。朴賛浩という樹木もそこに育ち、それからアジアの多くの選手が大リーガーを夢見て成長していってくれたのです」
3月20日。高尺スカイドームで行われたドジャースとパドレスの開幕カードは、韓国で史上初めて開催されたMLB公式戦となった。歴史的な試合が実現したその立役者こそが朴賛浩。1994年にドジャースでメジャーリーグのキャリアを歩み出し、2005年~06年シーズンにはパドレスでも活躍した右腕は、両軍のデザインが半分ずつあしらわれたユニフォームを着て、第1戦の始球式を務めた。
失意の朴賛浩の前に現れた野茂英雄
試合開始に先立って行われた記者会見。韓国、アメリカ、そして日本メディアの前で、レジェンド右腕は自らの挑戦の歴史である30年を振り返った。漢陽大学在学中にドジャースと契約し、アジア人として初めてメジャーのマウンドに立った日のこと。デビュー戦でストライクが入らず、1死も取れぬまま2失点を喫した屈辱。マイナー降格の挫折と、通訳もなしで過ごした孤独な日々……。
失意の朴賛浩に輝ける道を示したのが95年にドジャースに入団した野茂英雄だった。