- #1
- #2
濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「ぶっちゃけて言えば…」安納サオリが業界最大手スターダムと“専属契約”決断の真相…人気女子レスラーが明かした“憧れ”《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/04/26 11:03
スターダムとの“専属契約”を発表し話題を集める女子プロレスラーの安納サオリ
「今はヒミツですけど…」安納がスターダムでやりたいこと
昨年12月の両国国技館大会では、ジュリアや中野たむが大激闘を通して価値を上げてきた“白いベルト”の王者に。フリーとしては快挙だった。
「去年もスターダム入団のお話をいただいたんですけど“今はスターダム一本というのは違うな”と。スターダムにいなかった時の自分、他の団体で培ってきたものも含めて今の安納サオリなので。
だから新人時代に入団したり、アクトレスガールズをやめてすぐ入団していたら今とはまったく違う選手になっていたと思います」
もしかすると“普通のスターダム所属選手”だったかもしれない。けれど安納はその道を選ばず、自由度の高い=より自分らしくいられる独自のポジションを掴んだ。
「私みたいな形での契約は団体初らしいです。遠回りだったけど今が(契約する)ベストなタイミングだったんだなと思いますね」
スターダムで活躍し、ユニット「コズミック・エンジェルズ」加入も果たしたが、昨年は“フリー参戦”としてのスタンスだった。白いベルト獲得時にも、こう語っている。
「外国人以外で所属じゃない選手が白いベルトを巻いたのは初めてでしょう。スターダムの所属選手はいろいろ思ってるはず。というか思わないとダメじゃないですか」
昨年は試合ごとにオファーをもらって“参戦”する立場。しかしこれからは違う。スターダムは昨年12月、新社長として岡田氏が就任。一方で3月に5選手が退団するなど変革の時期を迎えている。安納の契約もその中での出来事だし、スターダムの選手として担うべき役割も出てくる。
「スターダムでも他団体でも、やりたいことがあるんですよ。今はヒミツですけど。これは岡田社長に相談ですね。これからはスターダム内部にも発言していきます」
「照れくさくもあり、嬉しさもあります」
契約にあたっては、まず業界の先輩たちに挨拶の電話をすることから始めた。
「ダンプ(松本)さん、長与(千種)さん、ブル(中野)さん、アジャ(コング)さん……100人以上ですかね。3日かかりました。それだけお世話になった方がいるんだなって、あらためて思いましたね」
これまではフリーであることに「甘えている」ところもあったという。結果を出すと「フリーなのに、所属じゃないのにベルトを巻くなんて凄い」という褒め方をされる。その評価に甘んじてはいけないと思った。「もう1段階、厳しいところに行かないと」と安納。スターダムの中に入ってそのまま埋もれるのか、それとも特別な存在であり続けるのか。ここからまた新たな闘いだ。今は何より喜びと希望があると言う。
「プロレスラーになって9年目で初めて言うんです。“スターダムの安納サオリです”って。それが照れくさくもあり嬉しさもあります」
活動の全体像は大きく変わらないかもしれない。それでも2024年の“安納サオリ”は大きく変わる。《インタビュー後編に続く》
(撮影=杉山拓也)