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「昔から見えてた」なぜ堀江翔太はいつも冷静なのか? 観察眼とチューニング力…原点は高校時代「キック処理やってた。エイトやのに(笑)」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/04/05 11:01
今シーズン限りでの現役引退を表明した堀江翔太(38歳)
「前半、いい勝負してるとするじゃないですか。僕の仕事は、自分たちに崩れている部分があったとして、なんで崩れているのか? それをどうやったら修正できるかという仮説を持ってゲームに入っていくことです。そこからは声を出してコミュニケーションを取りながら、仲間がプレーしやすくなるというのが僕の長所だと思ってます。いまのところ、それが効いてるかなって感じはあります」
日本代表では先発として欠かせない人材だったが、堀江のこの「観察眼」と「チューニング能力」がリザーブとしての価値を高めている。
なぜ堀江はいつも冷静なのか?
ラグビーの選手の話を聞くと、基本的には熱い人が多いと感じる。試合中は熱く、それを冷静に振り返ることができる人もいるが、堀江の場合は常に冷静で、それは試合中も変わらないように思えて仕方がない。
いつも冷静、いつだって客観的。
どうしてそんなに物事を俯瞰して見られるのだろう?
「ラグビーについていえば、昔から見えてた気がします。僕が思うに、高校時代にいろいろなポジションをやってたということが大きいと思うんですよ。基本はナンバーエイトでしたけど、サッカーやってたんで、試合再開のドロップキックとか僕が蹴ってました(笑)。ドロップキック蹴ったら、そのまま下がってフルバックかウィングがカバーするようなポジションに入ります。最後方。相手のキック処理もやってたんで、そりゃ全体を見渡しますよね。エイトやのに(笑)」