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F1日本GP、初めての春開催で問われるものとは? 好調の角田裕毅、連勝ストップのフェルスタッペンの鈴鹿を占う
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool
posted2024/03/29 17:00
ファンサービスでの表情も明るい角田。明るいムードのまま、鈴鹿でのレースにも期待が高まっている
現在のF1のPUは2025年末まで開発が凍結されているため、年間を通して同じスペックに定められている。しかし、その性能を出し切るためには現場の力が必要となる。
鈴鹿はホンダの地元。ホンダ・レーシング(HRC)のスタッフたちが、パートナーを組むレッドブル・パワートレインズ(RBPT)のスタッフたちといかに高い精度で調整をやっていけるのか。その戦いにも注目したい。
そのホンダRBPTのPUを走らせるホンダ・ドライバーからも目が離せない。
昨年の日本GP勝者であるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、直近のオーストラリアGPをマシントラブルでリタイア。連勝記録が「9」で止まった。
「もちろん、完走できなかったことは残念だけど、9レース連続で素晴らしい走りができたことを誇りに思うべきだ。今年の鈴鹿にはもっと強くなって戻って来る」と、フェルスタッペンは雪辱を期する。
7位入賞で結果を残した角田裕毅
フェルスタッペンがリタイアしたレースで7位に入賞したのが、アルファタウリから今年チーム名を変更したビザ・キャッシュアップRBに所属する角田裕毅だ。
「直前のレースでポイントを獲得して鈴鹿にはいい気分で臨めますし、見に来てくれるファンの皆さんにも期待を持っていただけると思う。その期待を裏切らないように頑張ります。メルボルンのスタンドでも多くの日の丸を見ることができました。鈴鹿へ行くのを楽しみにしています」
HRCの折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)も、開幕2戦でいいレースをしながら、ポイントを逃してきた角田の入賞を喜んだ。
「ようやく予選での良い走りが結果に結びついてくれて、鈴鹿へ向けて、いい弾みがつきました」
折原GMら、HRCのスタッフが搭乗したメルボルン発成田行きの機内では、こんなサプライズがあった。それは着陸前の機長からのアナウンスだった。
「皆様、こんにちは。昨日はメルボルンでF1のオーストラリアGPが開催されました。私事ではありますが、80年代にマンセルとピケが活躍するホンダを応援していた時期がありました。来週は鈴鹿で日本GPが開催されます。ホンダや日本人ドライバーの角田裕毅選手たちの活躍をお祈りしています」
秋の鈴鹿も好きだったが、春の鈴鹿も待ち遠しい。いざ、鈴鹿へ。